1925年1月14日 ~1970年11月25日
本名 平岡 公威(ひらおか きみたけ)。小説家、劇作家、随筆家、評論家。
1925年1月14日、東京都新宿区に平岡家の長男として生まれ、学習院高等科を経て1947年東京大学法科卒業後、大蔵省に勤務するも9ヶ月で退職、執筆生活に入る。
官吏を辞して創作に専念し、最初の書き下ろし長編『仮面の告白』(1949年)で文壇に出る。世の良識が不道徳、退廃とするものを、雅な文体と構成で描いた作品が多い。戦後の日本文学界を代表する作家の一人であると同時に、ノーベル文学賞候補になるなど、日本語の枠を超え、海外においても広く認められた作家である。
晩年は、自衛隊に体験入隊し、民間防衛組織(民兵)「楯の会」を結成、政治活動に傾倒。1970年(昭和45年)11月25日、楯の会隊員4名と共に自衛隊市ヶ谷駐屯地(現・防衛省本省)を訪れ、東部方面総監を監禁。
バルコニーで憲法改正のためクーデターを促す演説をした後、割腹自殺。
この事件は日本社会に大きな衝撃を与えただけでなく、新右翼(第二次世界大戦以後における右翼のあり方)が生まれるなど、国内の政治運動や文学界に大きな影響を及ぼした。享年45歳。