本との偶然の出会いをWEB上でも

【覚え違いクイズ】『とんでもなくクリスタル』? この本のホントのタイトルを当てろ!

更新のたびにSNS上で大きな話題を呼んでいる、福井県立図書館の「覚え違いタイトル集」をクイズにしました。“覚え違いタイトル”をヒントに、その本の実際のタイトルを当ててみてください。

数年前から更新のたびにSNS上をざわつかせている、「覚え違いタイトル集」というWebサイトをご存じでしょうか? これは福井県立図書館が運営しているホームページ上のコーナーで、司書が実際に図書館のカウンターを訪れる市民から聞いた「覚え違いしていると思われる本のタイトルや著者名」などをリスト化したもの。ユニークな覚え違いや、「あるある!」と思わず共感してしまう覚え違いが多く、多くの人々に愛されているコンテンツです。


出典:https://www.amazon.co.jp/dp/4065258928/

2021年10月には、『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』としてなんと書籍化もされたこのWebサイト。今回はそんな福井県立図書館の“覚え違いタイトル”を元に、実際の本のタイトルがなんなのかを当てていただくクイズを出題します。タイトルの覚え違いをしている人を前にした図書館司書の気持ちになって、全問正解めざして頑張ってください!

【初級編】第1問

【問題】

この人は、いったい何というタイトルの本を探している人でしょうか?

「すみません、『とんでもなくクリスタル』ありますか?」

 

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【答え】
田中康夫『なんとなく、クリスタル』


出典:https://www.amazon.co.jp/dp/4309412599/

【解説】
この人が覚え違いをしていたのは、小説家の田中康夫が1980年に発表した小説『なんとなく、クリスタル』です。本作は日本におけるポストモダン文学の嚆矢とされ、1980年代の日本の流行をさまざまなブランドの固有名詞と共に描く手法が話題を呼びました。少子高齢化やバブル景気の終焉を予感させる先進的な内容でしたが、当時は「ブランド小説」とも呼ばれ、その注釈の多さにばかり注目が集まりました。

【初級編】第2問

【問題】

この人は、いったい何というタイトルの本を探している人でしょうか?

『ぼくなんだかブルーな気分なの』みたいなタイトルの本、ありましたよね?」

 

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【答え】
ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』


出典:https://www.amazon.co.jp/dp/B096ZSKMRS/

【解説】
この人が探していたのは、コラムニストとして活躍するブレイディみかこによるエッセイ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』。イギリスに暮らす息子との会話やその成長を通じ、多様性や偏見について思索を巡らす社会派の作品です。

福井県立図書館の「覚え違いタイトル集」によると、本作は非常に覚え違いが起こりやすい1冊のよう。この人からの他にも、「ブラッディなんとかさんの『イエローホワイトときどきブルー』みたいな感じの本ありますか? 3色出てくる」というリクエストが寄せられたこともあるそうです。

【初級編】第3問

【問題】

この人は、いったい何というタイトルの本を探している人でしょうか?

「すみません、『そのへんの石』、ありますか?」

 

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【答え】
山本有三『路傍の石』


出典:https://www.amazon.co.jp/dp/4101060096/

【解説】
この人が探していたのは、山本有三が1937年に発表した代表作である『路傍の石』。少年が自分の道を模索しながら懸命に生きていく様子を描いた本作は、4度の映画化、2度のドラマ化をされるなど、日本では非常に人気の高い作品のひとつです。

タイトルのなかの“路傍の”とは“道端の”、あるいは“無関係の”という意味ですが、意訳すればたしかに“そのへんの石”になるような気もします。

【中級編】第4問

【問題】

この人は、いったい何というタイトルの本を探している人でしょうか?

昔からある、『ハムスター』みたいな本が読みたいんですけど……」

 

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【答え】
シェイクスピア『ハムレット』


出典:https://www.amazon.co.jp/dp/4042106145/

【解説】
答えを見て、「まさかハムレットとは……」と意表を突かれた方もいらっしゃるかもしれません。

この人が探していたのは、イギリスの偉大な劇作家・シェイクスピアによる“父殺し”を描いた戯曲『ハムレット』。1600年頃に書かれたと推測されている本作は、『オセロ』『マクベス』『リア王』と並ぶシェイクスピアの4大悲劇のひとつで、近代戯曲の最高傑作と呼ばれることも少なくない作品です。

【中級編】第5問

【問題】

この人は、いったい何というタイトルの本を探している人でしょうか?

「すみません、ハリー・ポッターが書いたうさぎの本ありますか?」

 

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【答え】
ビアトリクス・ポター『ピーターラビットのおはなし』


出典:https://www.amazon.co.jp/dp/4834018555/

【解説】
この人が探していたのは、イギリスの絵本作家、ビアトリクス・ポターが手がけた不朽の名作『ピーターラビットのおはなし』だったようです。いたずら好きの子うさぎ・ピーターラビットのささやかな冒険を描いた本作を、子どもの頃に読んだ記憶がある方も多いのではないでしょうか。言われてみれば、著者名のビアトリクス・ポターもタイトルの“ピーターラビット”も、どことなく“ハリー・ポッター”に似ている気はします。

【中級編】第6問

【問題】

この人は、いったい何というタイトルの本を探している人でしょうか?

「あの、『これこれちこうよれ』が読みたいんですが……」

 

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【答え】
森下典子『日日是好日』


出典:https://www.amazon.co.jp/dp/410136351X/


【解説】

この人が探していたのは、エッセイスト・森下典子によるエッセイ『日日是好日』。著者自身が長年趣味としている“茶道”を軸に、人生の意味や楽しみについて考えを巡らせるあたたかく感動的な内容の作品です。2018年には大森立嗣監督、黒木華主演で映画化もされました。ちなみに本作の正しい読み方は、「にちにちこれこうじつ」です。

【上級編】第7問

【問題】

この人は、いったい何というタイトルの本を探している人でしょうか?

『さよなら、ジロー』ありますか? 絵本なんですけど……」

 

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【答え】
カール=ヨハン・エリーン『おやすみ、ロジャー』


出典:https://www.amazon.co.jp/dp/4864104441/

【解説】
もはやタイトルの漠然とした響きしか合っていませんが、この人が探していたのは行動科学者のカール=ヨハン・エリーンによる絵本『おやすみ、ロジャー』だったようです。ロジャーという名前の子うさぎが眠るまでを描いた本作は、心理学的なアプローチによって“子どもを眠くさせる”ことに特化した作品。小さなお子さんを持つ親御さんにとっては、寝かしつけに効く絵本として頼りにされている1冊です。

あわせて読みたい:【2~3歳の寝かしつけに効く!?】パパ、ママのための「お助け絵本」7選

【上級編】最終問題

【問題】

この人は、いったい何というタイトルの本を探している人でしょうか?

『もっこすもっこすどらどらぽん』みたいな絵本ありますか?」

 

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【答え】
長谷川摂子作/ふりやなな絵『めっきらもっきらどおんどん』


出典:https://www.amazon.co.jp/dp/4834010171/

【解説】
この人が探していたのは、1990年に書かれたファンタジー絵本の傑作『めっきらもっきらどおんどん』でした。主人公の小さな男の子が“もんもんびゃっこ”や“しっかかもっかか”、“おたからまんちん”といった不思議な生き物のいる国に迷い込む本作は、思わず口に出したくなるようなその印象的なタイトルからも広く親しまれている1冊です。

“もっこすもっこすどらどらぽん”は完全に覚え違っているものの、どことなく元のタイトルに親和性も感じるような不思議な味わいがあります。

おわりに

覚え違いタイトルクイズ、あなたは何問正解できましたか? なかには、「こんな適当な情報だけでわかるわけないよ!」と感じたタイトルもあったかもしれません。

この“覚え違いタイトル集”を公開している福井県立図書館は、このユニークなページを通して、図書館のレファレンスサービスの認知度の向上をはかりたいと考えている、といいます。

“図書館は本の貸し借りをするだけの場所ではありません。大きな役割のひとつに「レファレンス」があります。簡単に言えば、利用者が探している“情報”にたどりつけるよう司書がお手伝いをすることを指します。(中略)司書にとって、こうした覚え違いに接するのはごく日常的なことです。そしてそのひとつひとつが、大事なレファレンスの事例になります。”
──『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』より

図書館司書の方々は、こういった覚え違いに“ごく日常的”に接しているからこそ、図書館を利用する人が求めているものが直感的にわかるのでしょう。そのすばらしい仕事に感謝しつつ、「今回はどんな“覚え違い”があるかな?」と福井県立図書館のページを期待とともにときどき覗いてみることをおすすめします。

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