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9.14映画公開! 累計170万部突破!! 大ヒットコミック『響~小説家になる方法~』の作者・柳本光晴氏が初激白、制作秘話&謎の素顔に迫る!!!

彗星のごとく現れた、弱冠15歳の天才作家、鮎喰響(あくいひびき)。響は、感情も言葉もストレート! 歯に衣着せぬ物言いや、自らの考えを曲げずに行動に出ること、時に相手に危害を加えるところから、周囲とは軋轢を生みますが、その類い希な、圧倒的な文学的才能で文壇の注目を浴び、奇跡とも思える出来事を次々と起こしていきます。
2017年、マンガ大賞を受賞した、話題のコミック『響~小説家になる方法~』が2018年9月14日、ついに実写映画「響-HIBIKI-」(平手友梨奈主演)で公開に。
作者自身も、響同様? 今回の映画化に際して、最高に面白い作品にするためにスタッフと意見を戦わせたり、かつて同人誌→商業誌へと進む中で、編集者とぶつかりながら作品を描いてきたこと、さらに、村上春樹の作品世界が好きで、ネームを書くときにはプログレ音楽を聴いているなど……、謎の作家・柳本光晴氏の素顔が初めて、明らかになります!

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響=柳本光晴!? 自転車で爽やかにやって来た謎の漫画家

 40度近い歴史的酷暑が都心を襲い始めた、ある日の昼下がり。信号待ちのわずかな時間でも、アスファルトに照り返す太陽の光が猛烈な熱を放ち、噴き出す汗はたちまち額や首筋、背中をつたって行った。しだいに遠のく意識の中で、幻でも見そうな暑さだった。
「こんな暑い日に、わざわざこちらまで来ていただいて、すみません」
取材場所に指定されたカフェにほど近い、仕事場兼自宅から自転車でやって来たという柳本さんだったが、清々しい風に吹かれてきたかのような爽やかさをまとい、汗を拭うでもなく涼しい顔でリンゴジュースを注文する。
 物腰柔らかく深々と頭を下げての丁寧な挨拶、2017年のマンガ大賞授賞式で見たはずの口髭もなく、髪型も短くさっぱりと整えられ……目眩にも似た感覚に陥った。「かなり若い!?」「極めて常識的でとても丁寧な人!?」。取材のためにリサーチを重ね、勝手に抱いていた柳本さん像がいきなり崩れ、戸惑い、うろたえた。
 柳本さんの素顔はほとんど明らかにされていない。出身が徳島県であること。大学入学と同時に上京し、同人誌活動を始め、商業誌デビューを果たすと『響~小説家になる方法~』(2014年~ビックコミックスペリオールで連載中/小社刊)で作品のクオリティーの高さ(=物語の力)が各方面で絶賛され、じわじわと人気を博す。そして昨年、前述した通りにマンガ大賞受賞という栄誉を授かったということぐらいしか知る由もない。
 伝え聞く柳本さんの素顔に関しては「漫画の主人公“響”に似ている人」という声が多く、つまり自らの常識の世界でまっすぐに生きる拘りの強い人ということになり、一般的な常識、丁寧、清々しさ等々の言葉とは無縁の人と思い込んでいた。
 また、柳本さん自身のブログ“同人サークルTTT”(2012年~)をじっくりと読み返していけばいくほど漫画を筆頭に音楽やインテリア、映画、熱帯魚等々、自身の好きな物に対しての強烈な拘りが言葉の隅々に感じられ、いつしか“柳本さん=響”説は疑いようのないものとなっていた。
 それだけにこのインタビューではどれだけ“素”の、そして“真”の柳本光晴に迫れるのか……結果としては戸惑いに揺れる心を、正直で饒舌な柳本さんの言葉が“ダンス・ダンス・ダンス”とばかりに軽快に躍らせてくれるものとなった。

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初映画化に狂喜乱舞しても“響”の魂は消え去らない

__柳本……“先生”とお呼びした方が良いのか。最近は“先生”と呼ばれることを嫌う作家さんも多いですよね。

「確かに先生と呼ばれると違和感があるというか、柳本さんの方がしっくりくるんですけど、周りの人からしたら先生で統一した方が便利というのもあると思うんですよね。この人は先生で、この人は……って分けるのも面倒でしょうし。だから、まぁ、先生でいいんじゃないって感じですかね。さすがに、そう呼ばれるのも慣れてもきたし。でも、今日はもう柳本さんで。はい、お願いします」

__先生と呼ばれることに慣れてきた……柳本さんを取り巻く環境が変わったということですね。

「去年マンガ大賞をいただいてから、本当にもう分かり易いぐらいに環境は一気に変わりましたねぇ、ありがたいことに。ここまで分かり易くというか、去年の3月からですね。それから本当にいろんなことがありました」

__マンガ大賞受賞後の大きな変化、大きな出来事は、やはり実写映画化が決定したことですか?

「映画化の話はまことしやかに囁かれてはいて、僕の耳にもいくつか入ってきてはいたんですけど、そういう話って流れちゃうことが多いので、編集の方には僕の判断が必要になった段階できちんと言ってくれるよう頼んでありました。なので、実際に企画が動き始めたのは、去年のマンガ大賞受賞後……うーん、そう確か7月ぐらいだったと思います。メディアミックスなんて、もう嬉しいだけなんで、もちろんやってくださいと即答しました。で、企画は6本ぐらいあったかなぁ。全て実写映画化の話でしたね。どこの会社(=どの企画)にしますか? とか聞かれても映画の作り方、そのノウハウなんてまったくわかんないわけですから、小学館の映画の部署の方に相談しながらいろいろと決めていきました」

__監督やキャスティングに関しても柳本さんに決定権があった?

「決定権があったというか、そもそも原作者が映画化に関してどれだけ口を出していいのか分からなかったんですけど、主役の響役に関してだけは最初から平手友梨奈さん(欅坂46)でお願いしたいと希望は出しました。というのも、以前から僕の周りにいるアシスタントさんだとか、編集さんが“平手さんは響だ!”なんていう話をしていて、実際に僕も欅坂46のPVを見たら、平手さんは本当に、まさに響のイメージにぴったりだと思っていたんで、そんな僕の気持ちを素直に伝えたまでです。監督に関しては、何人か候補の人が挙がっていたんですが、その中に月川さん(月川翔監督/『君の膵臓をたべたい』)がいて、彼の作品が好きだったのでお願いしたいと希望を出したら、すんなり通っちゃったんです」

__平手友梨奈さんも、すんなり出演を承諾してくれたんですか?

「平手さんは映画初出演で初主演、いろんな意味で面白い試みになると、監督も映画会社(東宝)の方も僕の意見に共感してくれたんですが、平手さん自身が出演を決意してくれるまでは、ちょっと時間がありましたね。作品のことも、もちろん僕のこともまったく知らなくて悩まれていたようなんですけど、とりあえず『響~小説家になる方法~』を読んでくれることになり……それからしばらく経って原作を凄く気に入ってくださって、響というキャラクターを本当に好きになってくれたみたいで、“ここに私がいる”とまで言っていただきました。だから、うろ覚えですけど、去年の終わりぐらいには出演が決定したのかなぁ……映画化の話が動き始めてから数か月はかかりましたね」

__脚本チェックはされたんですか?

「はい、しましたね。元々は口を出すつもりなんて、まったくなかったんですけど、チェックしてほしいと言われて読み始めたら、やっぱりちょっと口を出したくなって、まぁ、かなり長――――いメールを送ってしまいました。僕自身、映画を見て、人とワイワイ話をしたり、文章を書くのも好きだっていうこともあってか、どこか楽しんで書いていた部分があったんですけど、メールを受け取った映画会社の方は文面から(文章量も含む)察するに、これではメールのラリーが永遠に続くとパッと読んでわかったんでしょうね。“一度お話しませんか”とお返事が来て、監督と脚本家さん、映画会社の偉い方と2回ほど会って、お互いが納得いくまで映画の方向性をガッツリと話し合いました」

__熱い話し合いの中で、もっとも譲れなかった部分をお話していただくことはできますか? その時、まさか柳本さんも響化して、凄まじい暴力に出たとか?

「そんなことしませんよ~!!(一同大爆笑)うーん、そうですねぇ、一番最初に脚本をざーっと読んで行くなかで感じたのが、大した事も起きていないのに雰囲気だけ出して、何かインパクトの強い言葉を誰かが放って、そこにいる皆がハッとして音楽だけ流れるっていう、いいイベントっぽくする演出や、展開。僕が見てきた日本映画によくありがちな手法というか……これは映画に限らず漫画でもよく使われているんですが、僕は大嫌いなんです。だから、とにかくちゃんとイベントにしてくれと。イベントは極端な話、音楽がなくても、演出がなくても、それがあれば観客がスゲーって思うような具体的なものじゃなくちゃいけないと。それっぽい雰囲気を出して、それだけで終わらせたくはないってことを強く言いましたね」

__『響~小説家になる方法~』の見どころのひとつといえば、響の暴力描写があると思うけれども、やはりその部分も柳本さんのいう“イベント”がしっかりと描かれていないと、単なる暴力キャラになってしまうというか、ドラマも希薄になってしまう。

「そうなんですよ、実際、暴力描写に関しても、ちゃんとしたイベントにしてくれと強くお願いしましたけど、今回その点で凄くありがたかったのが、撮影中に平手さんも監督にいろいろな提案をしてくれたようなんです。響だったらこういう事は言わない、響だったらここでこういう事をするとか。監督によくよく聞いてみたら、響は特に暴力的なことを言うわけではない普通の女子高生でもあるからという平手さんの意見を反映して、脚本にはなかった動物と触れ合う場面を“可愛らしい響らしさが出ている”と新たに入れてくれたみたいです。響が単に暴力的なキャラクターではないということを本当に理解してくれて……平手さんには感謝ですね」

__映画の予告編も公開されて、ラッシュもご覧になった柳本さんですが、正直なところ映画化される作品には期待していますか?

「この映画に関して僕はいち観客であるから面白いと思うんです。ラッシュを見た限りでは、イベント、イベントで見せていて、その上で響というキャラクターをガッツリと見せている。だから、ジャンルを問われるとちょっと困る作品ではありますね。恋愛映画でもないし、バイオレンス映画でもないし、かといって謎解きもないし……ただ、“響っていう映画”とは言える映画にはなっていると思います。なんだか僕はギャーギャーいろんなことを言ったけど、映画をこれほどまでに仕上げてくださったのは、監督さん、脚本家さん、平手さん、出演者の方々、スタッフさんたち、そして映画会社の方々であり、本当に皆さんの力によるものと思っています。原作が好きな方は絶対に楽しめるだろうし、あっ、僕の絵が下手で原作を読む気がしなかったという人たちには一番おススメしたい映画です。だって、僕の下手な絵が出てこないんですから、存分に楽しめますよ(一同爆笑)。とにかく、邦画独特の沈黙を重んじるような雰囲気だけで見せる感じは全然ないし、邦画特有の寒いギャグが満載の、これ笑わなくちゃいけないの!? みたいなものも全然なくて、ほんと、映画として最高に面白いはずです。公開が楽しみで仕方ないですね」

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年齢不詳・謎の漫画家の過去を辿り素顔を知る!?

__ところで、話はまったく変わりますが……柳本さんは経歴というか、その素顔をあまり公表されていませんよね。今日、実際にお会いして、あまりの若さに驚いたというか(20代前半にも見える)、生年月日の情報すら見当たらず、ほんと謎が多い漫画家さんだ。

「年齢は非公開なんですよ。今おっしゃってくれたように、僕は実年齢よりも若く見られることが多いので、だったら、なるべく実年齢は言わないようにしようと。永遠にね。若い方が仕事ももらいやすいでしょ」

__となると、いろいろなお話をうかがって想像するしかないですね。商業誌でのデビュー前は、同人誌活動をなさっていたんですよね。

「そうですね。何年間ぐらいやっていたのかなぁ。大学入学と同時に上京してからずっとだから、うーん、10年間ぐらいはやっていたのかなぁ。18歳からやっていましたね。大学で授業はまったく出てなくて、さっさと辞めちゃったんですけど、漫研のサークルにはちょくちょく顔を出していて同人の活動も始めて」

__その10年間の生活費はバイトですか? 故郷のご両親は実生活を知っていました?

「ずっとバイトしながら同人活動をしていたんですけど、両親はすっごい田舎の人なんで、適当に誤魔化せると踏んでいたんです。だから当時は、東京ではデザインの下請けっていうか、出版社からデザインの大まかな物をもらって、レイアウトを組んで枠に収める仕事をしてるって、曖昧にぼかして言っときました。『響~小説家になる方法~』の連載が始まったことで親戚を通してバレたんですけど、まぁ、それなりに上手くいっているようだと、今では安心しているんじゃないですかね」

__同人誌活動期間が10年間もあった……。その間、自身の生活や将来に不安はなかったんですか? 漫画を諦めたいとか思うこともあったでしょう。

「いや、最初からそれなりに同人誌で売れたら、次は商業誌に行って、商業に行ったらそれなりに売れて、最終的には大成功っていう予定で来ましたから。ちょっと思ったより時間はかかっちゃいましたけどね。その間にどこかの新人賞に応募してっていう方法もあったんですけど、リアルに考えて自分が18とか19歳の頃に新人賞に応募したり、漫画家さんのアシスタントになったとしても、絶対に上手く行かなかったと思うんですね。あっちこっちでケンカして別れてって……」

__響みたいですね。

「うーん、そうなんでしょうね。というか、新人の漫画家さんとかから“編集者に言われたことをやらないといけない”という話をよく聞くんですけど、そもそも僕には誰かに依頼されたものを描くという発想がまったくないんです。実際、過去に編集さんから“可愛い女の子のラブコメを描いてください”ってお願いされた時だって、まったく可愛くない女の子の話を描き続けましたから。“次回こそは可愛い女の子の漫画を描いてください”“柳本さんは、可愛い女の子の恋愛物は描きたくないんですか!?”って言われるほど、三十路のオバサン女教師とか当時は珍しかったガングロギャルの恋愛物を描いたぐらいですから。僕としては編集者の予想をいい意味で裏切りたかっただけなんだけど、結局、編集さんとの溝は埋まらず放り出されてしまいました。あと、バイト時代に、ある漫画家さんのアシスタントにヘルプで入ったことがあるんですけど、それがちょっと地獄のように辛かった。まったく先の見えない状況の中、黙って延々と仕事をしなくちゃいけない環境で、2度とあの仕事はできないなぁ。もちろん、当時の僕には実力も足りなかった。だから、人生をやり直したとしても、結局は同じ道を辿ることになるんですよ。時間がかかってしまっても」

__響も言いそうなコメントです。

「いやいや、響の方が純粋です。僕の方がもっと俗っぽい人間ですから。有名人になりたいとか、売れたいとか、タワーマンションに住んで成功者ごっこをしてみたい(一同爆笑)とかありますから。響は、そういう事すべてが面倒臭くなっちゃう。本当に純粋な子ですから」

__でも、柳本さんも漫画に対しては純粋な想いを持ち続けていると思いますよ。同人誌を今でもやりたいとブログにちょくちょく書かれているし。

「よく商業と同人の両方の仕事をされている人が、商業でできない事を同人でやるとか言っているけれど、僕が思うにはそんな事あるのかなぁて感じですよね。今の感覚で、商業誌でできない事って何だろうって? 僕が同人誌をやりたいのは、同人誌を売るあのイベント感覚が好きだからなんです。自分で本を作って、会場に持っていって、そこでお客さんに売ってっていう、あのお祭り感覚が楽しいんですよ。それを僕は、今でもやりたくてたまらないんです」

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柳本光晴と村上春樹

__小説は書きたく……ないですよね。というより、文学の世界を舞台にした漫画を描いているというのに、小説は苦手とブログで書かれていましたね。

「さんざんいろいろなところで言ってますけどね(苦笑)、小説はまだちょっと……あくまで好みの問題でしょうけど、小説より漫画を読む方が好きなんです。この世に漫画がなくなったら、その分、小説を読むとは思いますけど……」

__村上春樹さんの小説は読んでいませんか? 『響~小説家になる方法~』を読んでいて、随所に村上春樹臭を感じたんです。影響を受けたとかそういうレベルではなく、言葉で伝えるのは難しいんですけど……。

「はい、大好きです。村上春樹さんは別格ですね。初期の作品『風の歌を聴け』、『1973年のピンボール』、『羊をめぐる冒険』、『ダンス・ダンス・ダンス』とか、本当に好きですねぇ」

__『響~小説家になる方法~』では、響が純文学を代表する作家として村上さんの名前を挙げていますが、村上さんの作品は既存のジャンルで括れるものではない気もしますよね。先ほどの柳本さんがおっしゃっていた“響っていう映画”という言葉を借りるわけじゃないですが、村上春樹こそ文学のひとつのジャンルなんじゃないかと。

「そうなんですよね、もはや村上春樹なんですよ。僕は文学に関しては門外漢なんで、文学を語るなんて、こんな恥ずかしいことはないんですけど……なんで、村上春樹だけが、こんなに面白いのか? 漫画でも同じなんですけどね、借り物の言葉とか、借り物のキャラクターを使うと、どうしても違和感が出てしまう。でも、村上さんの作品を読んでいると、あんなに格好いいことを言っているのに、まったく違和感がないというより、凄い力があるんですよね。つまり、そこに描かれているすべてが村上さん自身の言葉なんですよ。ご本人が格好いい生き方をしているからなんだろうなぁ。作品には、作家の生き方がそのまま出るってことなんだと思います」

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__柳本さんは漫画の次には音楽が好きということですが、村上さんも音楽には造詣が深い。

「村上さんはジャズ、ロック、クラシックでしょう。ほんと、格好いいですよねぇ。僕なんて洋楽、邦楽問わずに普通のポップス、ロックですから。音楽が溢れていた90年代の人間(=青春を謳歌した時期!?)は、日常的に音楽に触れていた人が多いみたいだから、音楽好きが多いんですよ。でも、音楽が作品作りに直接影響しているのかというと……。うーん、今はネーム描く時に、雰囲気のあるプログレなんかを流したりしています。キャメルってバンド(1970年代から活躍する英国を代表するプログレバンド)が最近のお気に入りですかね。ネーム描いている時に、本当に心地良く、なんかすごくフィットしていいんですよ。あっ、影響を受けたという言い方でいいのかわかりませんけど、ブルーハーツの『終わらない歌』。作り手として聞いた時に、すごくカッケー曲だなぁって思ったんです。格好いい作り方をしているって言えばいいのかな。僕にしても、響というキャラクターにしても、歌詞にあるようにこの世界に文句があるというわけではないんです。でも、あの曲の作り方すべてを格好いいと感じたんです。今でもそうかなぁ。超格好いいと思っちゃう」

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柳本さんの最後のコメントを綴りながら、ふと思い出した言葉があった。奇しくも、この原稿を書いている2018年8月5日(日)、村上春樹さんが初DJを務める音楽番組がラジオ(TOKYO FM)で放送された。村上さんは、文章の書き方を音楽から学んだと言っていた。リズムとか、ハーモニー、フリーインプロビゼーション等々を、すごく意識しながら執筆しているという。また「僕の作品が読み易いという人たちとは音楽的に通じている気がするんです」と。今宵もうだるような暑さだ。脳裏に柳本さんと村上さんの姿が、ぼんやりと浮かんでは消え、重なっていくように見えた……。

(取材・文/新村千穂)

作品紹介

【小説】
小説 響 HIBIKI
著/豊田美加  原作/柳本光晴  脚本/西田征史
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【ノベライズ】
小学館ジュニア文庫
響-HIBIKI-
著/時海結以  原作/柳本光晴  脚本/西田征史 
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【最新刊】
ビッグ コミックス
響~小説家になる方法~ 10
柳本光晴
(2018年8月30日発売)
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