本との偶然の出会いをWEB上でも

慶応SFC生に聞いた、「意識高い系」の読書生活

世間から「意識高い系」というレッテルを貼られることの多い慶応SFC生は、本当はどんな人たちなのでしょうか?その読書生活をもとにSFC生のリアルに迫ります!

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片山さん:『見えがくれする都市』『PLOT 04 西沢立衛』『NEVER LET ME GO』

3人目は片山さん。世間一般のSFC生のイメージとは少し外れるかもしれない、物静かなで実直なタイプです。しかし、「SFC生=イケイケ」というステレオタイプは、自分の専門領域に没頭するSFC生たちと話す度にどこか的外れなものに感じられたのも事実です。難解そうな専門書を携えていても、背伸びをしているように感じられない……これもまた、SFC生たちの持ち合わせた不思議な印象です。

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−−片山さんはSFCでどのような研究会に所属していらっしゃいますか?

片山:もともとまちづくりに興味があり、建築系の研究室に入っています。滋賀県でのフィールドワークでは、建築の視点から地域を活性化しようという取り組みをしています。

−−なるほど。では、読書の話題に移らせていただきます。今回3冊のオススメ本を持ってきてくれたのですが、まずはこちらの2冊についてご説明いただいてもいいですか?

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片山:はい、まずは下に置いてる黒い本、『見えがくれする都市』は建築の授業の演習で賞をもらった時の、先生からのプレゼントです。建築に携わっている人は一度は読む、鉄板書のようなものだと私は思っていて。この本からは、いま自分が住んでる東京の街路の発達の仕方や、構造の理解、これからの可能性を読み解くことができます。

それから、『PLOT 04 西沢立衛』。この本は私が好きな建築家、西沢立衛さんの設計に対する考え方が理解できる本です。ほかの建築家の方の本もあるんですけど、私は特にこの西沢さんのアートと環境を一体化させるような手法が好きでよく読んでいます。

−−建築関係の本はよく読まれるんですか?

片山:私が読むのは、建築家の頭の中が描かれているスケッチなどが多く掲載されている本が多いですね。

−−なるほど。月にどのくらいの本を買われますか?

片山:月2、3冊ほど買いますが、建築ばかりの本ではなく、今回持ってきたもう1冊の本の…

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NEVER LET ME GO』など洋書にもはまっています。高校の頃、カナダに留学した経験があるため、英語は問題ありません。

−−カズオ・イシグロの名作ですね!今年の春に邦題『わたしを離さないで』としてドラマ化もされ話題になりましたね。P+D MAGAZINEでも原作の魅力を語る記事を掲載しました。片山さんはこの小説を読んでどのように感じましたか?

片山:映画を見たのがきっかけで原作に手を出したのですが、3人の主人公が成長する中で揺れ動く感情表現に魅力を感じました。次はサリンジャーの『Catcher in the Rye』を読んでみたいですね!

 

青木さん:『コーチングのすべて』『人生の地図』

最後にお話を伺った青木さんは、品よくこざっぱりとしたファッションと、学生団体を立ち上げるなどといった活動内容からしても、世に言う「意識高い系」の典型とみなされそうなタイプ。しかし、その知識やパッションの源となる読書生活について探ってみれば、そんな今ドキの大学生についての見方も少しは変わるかもしれません。

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−−まず、SFCの学生生活で取り組んでいることを教えていただけますか。

青木:私が取り組んでいるのはコーチングです。SFCの授業で、コーチングを通して一人一人の人生と向き合い、より豊かな生き方のための具体的なアクションを提議する「ライフコーチング」の存在を知ったのがきっかけです。そこから興味を持ち現在は「SFC COACHING」という団体を立ちあげ、主にSFC生に対してコーチングをサービスとして提供しています。

−−では、青木さんのオススメ本をご紹介してもらってもよろしいですか?

青木:はい、『コーチングのすべて』と『人生の地図』の2冊です。

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コーチングのすべて』はコーチングの専門書です。コーチングを学ぶうちにコーチング業界の人と関わることが多くなり、あるコーチングファームの社員さんから勧めていただきました。コーチングにもたくさんの流派が存在し、それを体系化して学ぶことができる一冊で、私は辞書代わりに使っており、欠かせないパートナーです。

人生の地図』は私が好きな人物の一人である高橋歩さんが、人生と旅をテーマに書かれた一冊です。出会いは、旅先で隣にいたバックパッカーが読んでいたのを貸してもらったことです。各ページ、写真に対して一言ずつ言葉が述べられているだけなので、私は読む物でなく感じる物だと捉えています。自分自身に向き合わせてくれる大切な一冊です。

−−頭と心の「教科書」2冊ということですね。 では最後に、SFCの”同志”たちについてどう思いますか。

青木:一言で表すなら、”行動の起爆剤”です。SFCは良い意味でぶっ飛んでる人やクレイジーな人が多く、自分の軸を持って自由に行動する彼らからいつも刺激をもらってます!

 

“本”はSFC生の心を燃やす

ときにSFC生は「意識高い系」の代表格として取りざたされます。しかし、今回P+D MAGAZINE編集部は“本”という切り口から取材し、彼らをそんな言葉で片付けてしまうにはあまりに短絡的であるように映りました。

SFC生の中には1年生の時点から研究会に所属したり、団体を立ち上げたりと、自分の将来のために邁進している学生がたくさんいます。己の「好き」のみを道しるべにして、専門分野を深め続ける、真摯な学生。“本”は、そんな彼らの心を燃やす薪(たきぎ)になっているのです。

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