本との偶然の出会いをWEB上でも

もしも、あの大作家がTwitter廃人だったら。

太宰治、石川啄木、ヘミングウェイ、中原中也……あの大作家たちが、もしもTwitter廃人だったら。そんな妄想を爆発させてみました。

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Twitter廃人(※)、略して「ツイ廃」の皆様こんにちは。

各種SNSが全盛を極める現代、ツイ廃の皆様におかれましては、渾身のネタツイートのRT数・ファボ数に一喜一憂し、ゲリラ豪雨のように浴びせかけられるクソリプと戦いながら、深夜のポエム投稿を翌朝には真っ赤な顔でツイ消しする日々をお過ごしのことでしょう。

140字という限られた字数で「刺さる言葉」を日々考案している皆様は、言うなれば現代の「廃人」……もとい「俳人」であります。Twitter投稿は、今となってはひとつの文芸様式として評価されるべき時代となっているのです。

そうともなれば、皆様の関心ごとはただ一つ。

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……そんな答えのない悩みをきっとお抱えのはずです。

今回は、そんな皆様の悩ましい問いに答えるべく、P+D MAGAZINE編集部を代表するツイ廃たちが集結。「太宰治 VS. 川端康成」、「石川啄木の秘密の日記」、「アーネスト・ヘミングウェイの6語小説」、「中原中也による宮沢賢治布教活動」という文学史上のエピソードをTwitterのタイムライン風に再現しました。

※ Twitterに没頭するあまり、日常生活に支障をきたすユーザーのこと

 

芥川賞を遠ざけたのは私生活? 太宰治の呆れた逆ギレ。

「日本の純文学作家にとって、もっとも名誉のある文学賞は何か」といえば、その答えは今も昔も芥川賞です。太宰治は学生時代より心酔していた芥川龍之介の名を冠するこの賞を、喉から手が出るほど熱望していたものの、無残に落選します。このとき候補作に選ばれた『逆行』にまつわる選評の言葉の中で、選考委員だった川端康成は「作者、目下の生活に厭な雲あり」とその放埓な私生活をけん制するかのようなコメントを残しています。

この選評を読み、憤怒に燃えた太宰はその年の雑誌「文藝通信」に反論文を掲載します。そのなかでは「小鳥を飼い、舞踏を見るのがそんなに立派な生活なのか。刺す。そうも思った。大悪党だと思った。」と川端の生活について口撃を開始するのでした。

実際にこの頃の太宰の私生活には、度重なる女性問題や薬物中毒などといった「厭な雲」が見られていました。その自覚があったからこそ、太宰は「お前の生活は立派なのか?」と逆ギレに転じたのかもしれません。

▼そんな太宰と川端がTwitter廃人だったら?

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ゲスエピソードがありあまる。石川啄木の赤裸々日記。

名高い文士として故郷を想う歌を残し、肺結核によって志半ばで亡くなった石川啄木。一般的には「貧しいながらも立派な文学青年」という印象が強い啄木の私生活は、実に酷いものだったことをご存知でしょうか。

尋常ではないほどの浪費癖や遊び癖により常に家計は火の車。金が無いのに周囲から借金をしては娼婦を買う。「私が奢るから」と人と飲みに誘ったにも関わらず、いざ会計時には一切財布を開かない。妻がいるのに女遊びが激しい。まさに石川啄木はゲスエピソードが尽きない人物でした。

そんな啄木は、女遊びの生々しい話や性体験を日記に綴っていました。あまりに赤裸々過ぎる日記の内容が読まれないよう、啄木がとった行動は「ローマ字で書くこと」。官能小説かと見紛うほどの日記について「自分が死んだら燃やしてくれ」と妻の節子に頼んでいた啄木でしたが、才女として知られていた節子はローマ字を読むことは可能だったと言われています。

さらに、このローマ字日記を現代の私たちが読めるということは……これはつまり、いつか削除する予定だった裏アカウントを誰かに乗っ取られ、人には見せられない数々のツイートのログを勝手に保存されるようなもの。ツイ廃の皆さんであれば、これがいかに恐ろしいことなのかご存知なのではないでしょうか。

▼そんな啄木がTwitter廃人だったら?

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