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【著者インタビュー】野原広子『消えたママ友』/いざというとき、逃げ出す勇気を持ってほしい

キラキラ輝いて見えたママ友が、ある日突然姿を消した――。胸に突き刺さるママたちの本音が満載のミステリー仕立てのコミック。たとえどんな問題を抱えていても、事件を起こしたりする前に、何もかも捨てて逃げてほしいと著者は語ります。

【大切な本に出会う場所 SEVEN’S LIBRARY 話題の著者にインタビュー】

ママ友の失踪から人間関係の脆さと家族と妻の幸不幸をリアルに描き出した傑作コミック!

『消えたママ友』

KADOKAWA 1100円

保育園のママ友4人のうち1人が、ある日、子供を置いていなくなってしまう。友達だと思っていたのに理由も知らされず、連絡も来ない状況に、残された3人は自分たちの関係は何だったのかと考え始める。一人ひとりの視点から本音と事情が丁寧に描かれていく。ママ友はなぜ消えたのか? 意外な結末が待ち受ける衝撃のコミック。

野原広子

●NOHARA HIROKO 神奈川県生まれ。コミックエッセイプチ大賞受賞。出産を機にイラストレーターの仕事を始める。「レタスクラブ」に連載して大反響を巻き起こした『離婚してもいいですか? 翔子の場合』のほか、『ママ友がこわい 子どもが同学年という小さな絶望』『ママ、今日からパートに出ます! 15年ぶりの再就職コミックエッセイ』『娘が学校に行きません 親子で迷った198日間』などの作品がある。

いざとなったら逃げていいんだよ、と頭の片隅に入っているだけで、随分違うと思う

 仲良しママ友4人グループの1人が突然、姿を消してしまう。冒頭から不穏な空気が漂う、ミステリー仕立てのコミックだ。
 ママ友は距離の取り方がむずかしい。子育ての悩みを共有できて心強い存在である一方、いやでも子供のために付き合わないといけないこともある。家庭によって経済力、夫や姑の協力度が違うから、ライバル心や妬みも生まれる。
「一歩間違うと事件が起きたりしちゃう微妙な間柄ですよね。私自身、子供の幼稚園の送り迎えがなくなったときは、なぜかホッとしました。失敗が許されない緊張感があるんですよ」
 失踪したママを心配しつつも、残された3人は自分たちはうわべだけの友達だったのではないかという疑念にかられ、ママ友の輪はほころび始める。
 それぞれの家庭の事情、ママの本音は普段は隠されていて見えない。消えたママにはやさしそうな夫と育児に協力的な義母がいて、仕事もしていた。キラキラ輝いて見えたのに、実は深い闇の中にいたのだった。野原さんは、どんな問題を抱えていても、事件を起こしたり、子供と無理心中したりする前に、何もかも捨てて逃げてほしいという。
 2年前に離婚したとき、周りの何人もの人から「離婚できていいね」「私もしたかったけどできなかった」と言われた。ギリギリまで追い詰められても、さまざまな事情から踏み切れない人が大勢いることを実感したという。
「いざとなったら逃げていいんだよ、ということが頭の片隅に入っているだけで、随分違うと思うんです。逃げ出す勇気を持ってほしいですね」
 野原さんはこれまでにも離婚やママ友をテーマに自分の体験を織り交ぜた、曰く「モヤモヤシリーズ」を描いてきた。心の闇を描いているとやはり苦しくなる。思わず「モヤモヤはもういやだ」と娘に弱音を吐いたこともある。
「娘には、ワクワクして楽しい漫画は他の漫画家さんに任せて、お母さんはドロドロを一生懸命描きなさい、自分にできることをやりなさい、と言われました(苦笑)。それで私も目が覚めました」
 苦しさを超えて描き続けた甲斐あって、胸に突き刺さるママたちの本音が満載。結末まで一気に駆け抜けたくなるスリリングな作品だ。

素顔を知りたくて SEVEN’S Question

Q1 最近読んで面白かった本は?
R・A・ウォーシャック『離婚毒-片親疎外という児童虐待』に衝撃を受けました。離婚して子供に会わせてもらえない親がいますが、引き取った側の親が子供を洗脳して、そうなっている場合があるそうです。

Q2 新刊が出ると必ず買う、好きな作家は?
瀬尾まいこさんのやさしい世界が好きですね。

Q3 好きなテレビ番組は?
『ノンストップ!』木曜の飯尾和樹さんのコーナー「ワリカツ!~おトクな割引生活~」。ホッとします。

Q4 最近気になっている出来事は?
近くに住む娘のマンションで火事があって、消防士さんに大丈夫だと言われた娘が自分の部屋に戻ってさっさと寝ていたこと。

Q5 最近ハマっていることは?
お友達から大きなテレビをおさがりでもらいまして、アマゾンプライムを見ています。今はドラマ『カルテット』を。

Q6 ストレス発散法はありますか?
家でお酒を飲んで寝ること。

Q7 1日のスケジュールは?
朝10時くらいから仕事を始めます。本当に集中できるのは3時間くらいですね。

●取材・構成/仲宇佐ゆり

(女性セブン 2020年9.10号より)

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