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【茨城県民マンガ】だっぺ帝国の逆襲 〈第2回〉えっ、万年最下位の茨城がトップ10に!? 漫画/佐藤ダイン 監修/青木智也

かわいいけど茨城愛が強すぎる五月、東京でサラリーマンをやっていたダイゴ、どことなくオタッキーで頼りなさげなハチ――。どう見ても“寄せ集め”の3人が、茨城を「魅力度圧倒的最下位」からトップ10に押し上げる大役を命じられる。圧倒的人気を誇るバーチャルアイドル・茨ひよりを持ってしても叶わなかった、魅力度下克上は、本当に果たせるのか!? [隔週掲載]

46都道府県民に告ぐ!

我が茨城県が、「都道府県魅力度ランキング」(株式会社ブランド総合研究所)で
7年連続魅力度最下位!?
ゴジャッペ(でたらめ、おバカ)言ってんじゃねぇよ。
伸びしろが日本一っつーことだっぺ!
茨城王(イバラキング)こと青木智也と漫画家の佐藤ダイン、
茨城を代表する進歩的文化人(笑)のふたりが敢然と立ち上がり、
小学館のP+D magazineを無理矢理ジャックして、
愛する郷土の本当の魅力を詳しく紹介すっかんね!

映画が大ヒットしてふんぞり返っている埼玉県民!
ちょっと漫画が流行ったからって調子こんでる群馬県民!
おめぇらが泣いて悔しがるような
すんごいとごろや、うんめぇものを
教えてやっから覚悟しとげよ!
茨城が天下を取る日も、そう遠ぐはねーがんな。
あ、そうだ、忘れてた。栃木県民もがんばれよ(笑)

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マンガ中の記号(※1)などは、マンガのあとに出てくる“県民も知らない茨城の秘密”「だっペディア」の番号と対応しています。

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だっペディア 第2回

マンガに登場するローカルな用語などを、徹底解説!
これであなたもイバラキアン(茨城人)の仲間入りだ!

 

■(※1)常総市【地名】

2-1 茨城県の南西部にある市で、2006年の「平成の大合併」で水海道市と石下町がくっついて誕生。「ああ、高校野球で有名なところね」と思った人はチコちゃんに叱られる。常総学院の所在地は土浦市だ。でも常総市を「何もない田舎だろう」と侮ってはいけない。知る人ぞ知る国際都市で、1700あまりある全国の市町村のなかで19番目に外国人が多く、外国人比率は県内一である。とくに多いのは近くの工場で働くブラジル人。水海道駅前にはエキゾチックな食材を扱うスーパーがあり、ちょっとした名所になっている。

■(※2)石下【地名】

[いし・した]と書いて、イシゲと読む。ダイゴの住む石下は常総市の北部にあたり、豊田城という立派な天守閣のお城がランドマークとなっているが、中身は地域交流センター。この城は、かつてこの地をおさめていた豊田氏が城館を築いたことに由来するけど、当時は城じゃなくて茅葺の家だったらしい。なんだ、元々、城なんかなかったんだっぺよ(汗)。
 鬼怒川が氾濫し、越水や決壊などで常総市の3分の1が水没した2015年の水害は記憶に新しい。

 

■(※3)あまりなまっていない【感嘆詞】

2-3「だっぺディア」第1回でもお伝えしたとおり、茨城では、①自分のなまりに無自覚、②茨城の言葉と他県の言葉の違いに無自覚、という「無自覚イバラキアン」が多い。
 五月がダイゴのことを「あまりなまっていない」といったのは、茨城にどっぷりはまっている五月が、標準語と茨城なまりの聞き分けができていなかった可能性が大いにある。
 この場合、「オレ、なまってないかんね」などと尻上がりのイントネーションでというと、県外者からは哀れみの視線が注がれることになる。

 

■(※4)県庁第二観光課【固有名詞】

2-4 茨城県のホームページを調べてみたが、「第二観光課」は出てこない。やはり水卜慶国がいうとおり裏のプロジェクトなのか……

 
 
 

■(※5)7年連続最下位【トレンド】

2-5 民間調査会社「ブランド総合研究所」による都道府県の魅力度ランキングが2019年10月に発表され、物議を醸した。ランキングは安定の「最下位」だったのだが、人気№1Vチューバー「茨ひより」の力を持ってしても最下位脱出がならなかったことや、台風の直撃に鑑みて発表を遅らせてほしいと県知事が要請したにもかかわらず公表されてしまったことが原因だ(現在、同総研のWebサイトでは、30位までしか公表されていない)。
 最下位は「むしろおいしい」ととらえている人も少なくないが、「またその話か」「どうでもいい」などと、無関心や飽きたとの声も目立つ。ちなみに茨城は7年連続最下位の前に3年連続で最下位を経験している。唯一、最下位でなかった年も46位だったため、「それなら47位のほうが目立っていい」という考えに県民をなびかせたに違いない。
 まあ、いずれ「ブランド総合研究所」にはあいさつに行かなければいけないと思っている。

 

■(※6)映画が大ヒット【トレンド】

2-6 埼玉を舞台にしたマンガ&映画『翔んで埼玉』は、埼玉を揶揄する内容であるにもかかわらず、埼玉を中心に爆発的にヒットした。さすがはマゾヒストの国だ。彼らは「ダサイタマ」「名所・名物がない」などといわれるたびに快感を覚えるらしい。まあ、どんな内容にせよ、自分の県が大々的にフィーチャーされるのは嬉しいもので、茨城の魅力度最下位に対する県民感情と共通するものがあるのだろう。
 ちなみにこの作品で最もディスられているのは茨城である。いずれきっちり借りを返させていただく所存だ。

 

■(※7)坂東【地名】

2-7 坂東とは「関東」を指す古い呼び名。茨城県は古代においては大和朝廷の蝦夷に対する前線基地で、武道の神様を祀る鹿島神宮が置かれたり、奈良時代の常陸国風土記では海山の幸に恵まれた「常世の国」=理想郷と呼ばれていたり、平安時代に坂東武士のさきがけともいえる平将門が活躍したり、室町時代後期には足利成氏が鎌倉から古河(現在は茨城県)に本拠を移し、関東の政治文化の中心地になるなど、五月が「坂東随一の栄華」と言いたくなるほどの存在感があったのはホントの話。
 茨城が誇る和食ファミレス「ばんどう太郎」が数多く存在したり、県の南西部に坂東市という市があったりするため、「坂東」という言葉自体、茨城県民にとっては結構なじみがある。

 

■(※8)農業も漁業も日本有数【社会】

2-8 茨城は農業がさかんな県である。都道府県別の農業産出額では、1位の北海道は別格として、鹿児島県と毎年2位、3位の座を争っている。品種ごとにみても、メロン、栗、レンコン、白菜、鶏卵……など日本一のものがたくさんあり、これらが関東をはじめ日本中に出荷されている。さらに漁業もさかんで、マイワシ、サバ、うなぎ(天然)の漁獲量は日本一だ。
 つまり、茨城がなければ、鍋のネタにも困るだろうし、日本人の健康を支えている青魚も不足するだろう。栄養が偏って病気になる人が爆発的に増える可能性も……ないではない。
 ちなみに「栗といえば長野の小布施!」と思っている人が多いだろうが、笑わせないでほしい。栗菓子に使われている栗の多くは茨城産だ! ん? そこの茨城県民! 長野土産にたんまり栗菓子を買ってきて……このデレスケが。

 

■(※9)海【名詞】

2-9「茨城には海があるが、栃木や群馬にはない」――これは北関東3県の争いになると必ず出てくるキラーワードである。群馬には「カリビアンビーチ」があるが、あれはただのプール。漫才師のU字工事は「栃木にはエーゲ海がある」と言い張っているが、あれはラブホだ。栃木県民に対して、茨城県民は「海を貸してあげている」という意識が強く、実際「とちぎ海浜自然の家」という栃木県の施設が茨城県の鉾田市にあったりする。ちなみに鉾田市の大竹海岸の別称は「茨城のゴールドコースト」だ。ちゃんと看板も立っている。
 わかっていると思うが、もちろん埼玉にだって海はないぞ。
 湘南? 千葉? んー、ちょっと水質がねぇ……。その点、茨城には大洗サンビーチをはじめ海水浴場が18ヵ所あって、環境省認定の「快水浴場百選」では関東地方7ヵ所のうち5ヵ所が茨城から選ばれているのだ。茨城は関東一きれいな海を持つ県なのである。

 

■(※10)トップ10【トレンド】

2-19 謙虚で控えめな茨城県民からは、「さすがにトップ10は……」との声も聞こえてきそうだが、忘れてはいけない。茨城は全国11位の人口を有する県であり、住宅面積が日本一という、住めば都の県なのだ。だから茨城に住んで他県へ旅行に行くのがいちばん賢い。
「ブランド総合研究所」が発表した都道府県の魅力度ランキングトップ10は、北海道、京都府、東京都、沖縄県、神奈川県、大阪府、奈良県、福岡県、石川県、長野県の順。住みよさではなく、観光イメージの順位なのは言うまでもないが、なんか奈良県には勝てる気がする。あちらの売りは春日神社に東大寺、法隆寺、奈良公園。だが、こちらには鹿島神宮に牛久大仏、笠間稲荷、ひたち海浜公園がある。知名度は負けるが、中身はいい勝負……だよね、きっと。

 

だっぺ帝国の逆襲は隔週掲載です。
次回は1月6日(月)に公開予定です。

 

プロフィール

 
sato
■漫画:佐藤ダイン(サトウ/ダイン)
1984年、茨城県大子町出身。芸術系の大学在学中から漫画誌に投稿を続ける。サラリーマン生活、漫画家のアシスタントを経て、『桃色な片想い』(『月刊!スピリッツ』)でデビュー。2016年、『僕に彼女が出来るまで』が『ふんわりジャンプ』で連載、単行本化される。
 
aoki
■監修:青木智也(アオキ/トモヤ)
1973年、茨城生まれ。東京でサラリーマン生活を経験するも、茨城にUターン。フリーのライター、コメンテイター、ラッパーとして活動を続ける。WEBサイト「茨城王(イバラキング)」を立ち上げるかたわら、常総ふるさと大使、いばらき統計サポーター、茨城県まちづくりアドバイザーなどとしても活動。ラヂオつくば等でパーソナリティも務める。
著書『いばらぎじゃなくていばらき』(茨城新聞社)が13刷、4万部を超える大ヒット。

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