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【茨城県民マンガ】だっぺ帝国の逆襲〈第14回〉 茨城県人は“でっかいもの”がお好き!? 漫画/佐藤ダイン 監修/青木智也

25階建て、116mという高さを誇る茨城県庁舎。都道府県庁舎としては、堂々の全国3位だ。しかーし、それを見上げるようにそびえているのが、日立のエレベーター研究施設「G1タワー」。ほかにも牛久大仏、ダイダラボウ像など、茨城県人の「巨大なものに対する愛」は止まらない!?

 

「風土記」〈ふどき〉って知ってっけ?
奈良時代の713年に元明天皇の命令で
各地の自然や文化、伝説などをまとめたものだ。
もともと全国でつくられたはずだが、
1300年の時を超えていまも伝わるのはたったの5つだけ。
そのひとつが『常陸風土記』なんだかんね。
そこに書かれているのが「身体が長大な人」のこと。
足跡は普通の人の40歩分、
小便をしてできた穴メドが直径20歩あまりってーから、
ぶったまげーっちゃーどな!
こういう裏付けがあるから
茨城県人はダイダラボウにただならぬ親近感を抱いていて、
巨大な像まで造ってしまったわけ。
茨城をバカにするやつは、そのうち進撃されても知らねーど!

マンガ中の記号(※1)などは、マンガのあとに出てくる“県民も知らない茨城の秘密”「だっペディア」の番号と対応しています。








 
 

だっペディア 第14回

マンガに登場するローカルな用語などを、徹底解説!
これであなたもイバラキアン(茨城人)の仲間入りだ!

 

(※1)G1タワー

 ひたちなか市にある高さ213.5mのエレベーター研究塔。県内一の建物であると同時に、建設当時(2010年4月)は世界一高いエレベーター研究塔だった。分速1260mでギネス認定された世界最速エレベーター(中国・広州市「広州周大福金融中心」)も、GIタワーで開発と試験を行ったという。
 ちなみに2020年1月、日立グループは広州市に地上273.8m、地下15mのエレベーター試験塔「H1 TOWER」を完成させている。こちらは世界トップクラスの高さだそうだ。
 ついでに言っておくと、日本初のエレベーターも実は茨城にあるんだぞ! 1842年に偕楽園の好文亭に設置されたもので、こちらは人ではなく食事を運ぶ手動のつるべ式エレベーターだが、手動とはいえ1903年に欧米で生まれた近代エレベーターに先んじていたともいえよう。まあ、いずれにせよ茨城はエレベーターに深いかかわりがある県なのだ。
 なお、G1は「グローバルナンバーワン」、つまり、世界一という意味で、世界一のエレベーター技術および製品を生み出すという意味が込められている。
 むむっ、誰だ、G1を「ごじゃっぺナンバーワン」と訳したヤツは! でもそのネーミング、嫌いではないぞ(笑)。

 

(※2)群馬県庁舎

 群馬県内で最も高い建物で、高さ153.8mは県庁舎として日本一を誇る。「えっ、東京都庁舎がいちばん高いはずだよね?」と思ったあなた。さすが、ちゃんと本編を読んでくれたのね! たしかに都庁は群馬県庁より高いのだが、あくまで都庁。県庁舎としては群馬なのだよ(笑)。
 いやいや、埼玉は153.9mあるって? それは県庁舎じゃなくて、政府の出先機関などが入っている「さいたま新都心合同庁舎1号館」だ。埼玉県庁舎は5階建で、25階建ての茨城県庁舎とは比べるべくもない
 ちなみに栃木県庁舎は……ま、言わぬが花っつー言葉もあっからよ。

 

(※3)大串貝塚ふれあい公園

 茨城が、いや、日本が世界に誇る巨人といえば「ダイダラボウ」。「ダイダラボッチ」や「ダイランボウ」などとも呼ばれ、全国各地に伝説が残っている。そのダイダラボウが鎮座するのが大串貝塚ふれあい公園。白さがまぶしく、どこか西洋彫刻風なダイダラボウは、高さ15mの展望台にもなっており、手のひらのところから周りを見渡すことができるのだ。
「大串貝塚」は文献が残る世界最古の貝塚で、巨人(ダイダラボウ)が大ハマグリを食べて貝殻が積もった場所が「大櫛之岡(=大串貝塚)」であると「常陸国風土記」にちゃんと書かれているのだ。
 ただ、大ハマグリとはいえ、山をも動かすダイダラボウからしたら相当小さかったはずだが……。ダイダラボウさん、手先がかな~り器用なんだっぺな(苦笑)。

 

(※4)はに丸タワー

 水戸の東(旧常澄村)に鎮座するのがダイダラボウなら、西(旧内原町)にそびえ立つのは日本一の埴輪「はに丸タワー」。どちらも負けず劣らずシュールで、東西ににらみをきかす守護神のようだ。「古代」と「巨大」のミックスカルチャーだっぺ!
 水戸は中心部に巨大なスネークキューブ型の「アートタワー(水戸芸術館)」もそびえており、巨大建造物王国である茨城を象徴する町なのである。県庁も高いしね。
 ところで、この日本一の埴輪。埴輪といっても土で焼いたものではなく、埴輪型をしたタワーとなっており、展望台付きなのはいうまでもない。ネットでは正面からの写真ばかりだが、実は背中が思いっきり階段になっていて、そこがまたシュールなので、ぜひその目で確認してほしい!

 

(※5)日本一の獅子頭

 大仏や埴輪を大きくしたい気持ちはわからなくないが、なぜか獅子舞の頭=「獅子頭」でも日本一を目指してしまう……これぞ、エキゾチック茨城! こちらは石岡市の「常陸風土記の丘」にある。ゲッ、ここも「古代」と「巨大」だ! 茨城ではもはや定番の組み合わせと見るべきなのか(汗)。
 ところで、なぜ獅子頭なのかというと、関東三大祭のひとつ「石岡のおまつり」で練り歩く「幌獅子(ほろじし)」からきているのだ。
 え?「関東三大祭」って何かって? 日本三大祭といえば祇園祭(京都)、天神祭(大阪)、神田祭(東京)。東北の三大祭といえばねぶた祭(青森)、竿灯祭(秋田)、七夕祭(宮城)。そして関東の三大祭といえば佐原の大祭(千葉)、川越祭(埼玉)、そして石岡のおまつり(茨城)って決まってるじゃないか!
「石岡のおまつり」の正式名称は「常陸國總社宮例大祭」で、9月15日前後の期間中は約40万人の見物客が殺到するんだぞ! 一回見ておいて損はなかっぺ~。
 

(※6)日本一の木造犬

 ワンちゃん好きなら一度は訪れたい「つくばわんわんランド」。ここにいる(ある)のが、日本一の「木造犬」。「世界最大級」ともいわれている。獅子頭は頭だけだったが、こっちは全身なので「スフィンクス感」は上だ。あっ、もちろんここも展望台になっているから安心(笑)してください。
 ちなみに木造犬の名前はモックンである。木造だからね。フッ(笑)。

 

(※7)イバンゲリオン

 マンガ本編でハチが提案した映画のタイトル。ぜひ巨大像をテーマにした映画を作成してもらい、牛久大仏やダイダラボウが動き出すところを見てみたいものだ。
 牛久大仏が「かめはめ波」的な光線を発射するのは基本として、巨大獅子頭をヘルメット代わりにかぶってほしいと思う。また、はに丸タワーをバズーカ、アートタワーを剣にして戦う設定もいいな。また、ダイダラボウは単体では機動力が低いが、モックンに乗ることで機動力を強化できることにしよう!
 ちなみに、茨城弁は「い」と「え」がしばしば逆になり、なまりで「エバンゲリオン」を「イバンゲリオン」と発音してしまうのはココだけの秘密だ(笑)。

 

(※8)パンポン

 日立の工場で生まれたスポーツで、軟式テニスのボールを木の板で打ち合う。昔は昼休みにキャッチボールをする者が多かったが、ガラスを割ってしまうことがあって禁止されてしまった。その代わりとして、地面に線を引いてゴムボールを手で打ちあったのがパンポンの起源である。日立市を中心にいまでも親しまれており、茨城国体のデモンストレーションスポーツになったのは記憶に新しい。
 ちなみに、私は一度テレビ番組の企画でパンポン対決をしたが、サーブが一本も入らずに惨敗した苦い過去を持つ(苦笑)。

 

だっぺ帝国の逆襲は隔週掲載です。
次回は6月下旬に公開予定です。

 

作者よりひとこと+プロフィール

今回のお題:「私が犯した大失敗」

sato
■漫画:佐藤ダイン(サトウ/ダイン)
 高校時代の話です。当時、水戸に通学するために毎日水郡線を利用していました。水郡線は、車内にトイレが設置されています。僕はお腹が弱く、下痢気味になることがしばしばありました。その日、どうしようもなくお腹が痛くなって、トイレに駆け込みました。安心して用を足していると、なぜか突然ドアが開いたのです。時が止まったかのように、他の乗客の姿がはっきりと目に飛び込んできました。慌てて閉めたものの、確実にバレていたと思います。汚い話ですみません…。

1984年、茨城県大子町出身。芸術系の大学在学中から漫画誌に投稿を続ける。サラリーマン生活、漫画家のアシスタントを経て、『桃色な片想い』(『月刊!スピリッツ』)でデビュー。

 

aoki
■監修:青木智也(アオキ/トモヤ)
 ちょっと長いですが、ダインさんに便乗して私もトイレの大失敗を……。
 幼稚園にあがる前のお話です。一人で用を足せるようになったばかりの頃、おしりは毎回「ばあちゃん」に拭いてもらっていました。ある日、用を足した私は、いつものようにばあちゃんを呼んだのですが、少し前に畑に行ってしまったらしく、ばあちゃんの返事がありません。おしりを拭かないと出られないので、私は大声で泣き叫びました。
 泣き声を聞いて近くにいた「ひいばあちゃん」が駆け寄ってきます。ひいばあちゃんは「どうしたんだ?」と、トイレのドアを開けようとしますが、鍵がかかっているため、外からは開けられません。すると、ひいばあちゃんは、「大変だ! 智也が閉じ込められた」と大騒ぎ。
 いやいや、鍵は自分で開けられるんだって! おしりを拭いてもらいたいだけなのに!
 それがひいばあちゃんには全く伝わらず、私は大声で泣くしかありませんでした(汗)。最後は父がトイレの窓から長い竹棒で鍵を開け、私はトイレから救出されることになりました。でもお尻は結局そのままに(汗)。その日から青木家のトイレは鍵がかけられないようにヒモで縛られてしまったのでした。
……「コミュ力」って大事ですね(苦笑)。

1973年、茨城生まれ。WEBサイト「茨城王(イバラキング)」を立ち上げるかたわら、常総ふるさと大使、いばらき統計サポーター、茨城県まちづくりアドバイザーなどとしても活動。

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