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【茨城県民マンガ】だっぺ帝国の逆襲〈第20回〉 時代は奥飛騨より奥久慈だ!? 漫画/佐藤ダイン 監修/青木智也

筑波山から奥久慈に向かったダイゴたち一行は、茨城では珍しい山地ならではの風景と名物に目を奪われつつ、天狗党が再決起した地・大子に向かう。えっ⁉「タイシ」じゃなくて「ダイゴ」だって!! ほんとに茨城は、初見じゃ読めない地名のオンパレードだな……。

 

苦節7年、連続して魅力度最下位だった茨城が
ついに過去最高位の42位
になったのは
もうみんな知ってっぺ?
それもこれも、最下位脱出を目指して
日夜努力してきた関係者の奮闘の賜だろうが、
「だっぺ帝国の逆襲」の貢献も忘れねえでくろな。
県民すら知らない魅力を掘り起こし
力強いマンガと洒脱な文章
全国の読者に訴えてきたんだがらよ。
しか~し!
ゴールはここじゃない!(とあるCMの曲が脳内で演奏される)
まだ、たかだか42位だっぺよ。
ベスト10入りを果たすまで、走り続けっかんな!
なに?
“最下位”じゃなくて残念だ、って!?
「これで唯一のウリがなくなる」って!?
そ、そんなこと、みじんも思ってないかんね……!

 

■登場順物紹介


水卜慶国(みと・よしくに)
茨城再生プロジェクトのリーダー。だが、頼りにならない……かも。


袋田ダイゴ
この物語の主人公。茨城の地位を押し上げるために奮闘を続ける。


平野五月
茨城愛にあふれるこの物語のヒロイン。平将門の末裔。


ハチ(湯田八郎)
茨城生まれの母と、栃木生まれの父をもつ、プロジェクトのアルバイト。

 

■前回までのあらすじ

天狗党について調べるために筑波山に向かったダイゴ、五月、ハチの3人は、さらに足跡を追って奥久慈に向かう。そこで見たものは……水族館だった!?
 
 
 
 
 

マンガ中の記号(※1)などは、マンガのあとに出てくる“県民も知らない茨城の秘密”「だっペディア」の番号と対応しています。
 
 







 
 

■エピローグ
な、なんだ、この得体の知れない物体は!

 
 

だっペディア 第20回

マンガに登場するローカルな用語などを、徹底解説!
これであなたもイバラキアン(茨城人)の仲間入りだ!

 

(※1)大子(だいご)

 NHKの朝ドラ「ひよっこ」に登場する「奥茨城村」のモデルといわれる、茨城県北西部に位置する観光が盛んな町。現在の人口は1.5万人ほどだが、最盛期の人口は4万人を超えていた。久慈川の上流に位置し、栃木、福島との県境には県内最高峰の八溝山がある。しかし、大子町は意外と広いので、町の中心部から八溝山まではかなり距離があるぞ。途中、道幅が狭くて対向車が来たらどうしようと不安になるが、これが県北山間部ではデフォルトである。
 ちなみに八溝山の標高は1022mと堂々の4桁だ。47都道府県で最高峰の標高が3桁なのは千葉、沖縄、大阪、京都の4つ。なかでも千葉の愛宕山は408mと、がぎめ(=子ども)でも楽々登れるレベルだ。茨城と千葉を“チバラ”などといっしょくたにする向きもあるが、ぜひやめていただきたい。まあ、“チバラ”ならセーフにしといてやっぺ(笑)。
 大子町はこのマンガの作者である佐藤ダイン先生の出身地で、主人公「ダイゴ」の名前の由来にもなっている……のは、もちろんみんな気づいてたよね?

(※2)奥久慈

 茨城県と福島県にまたがる久慈川上流地域を指す。正確な範囲が定められているわけではないが、だいたい大子町を中心に常陸大宮市の山方地区、福島県の矢祭町を指すことが多い。
 神奈川でいう「湘南」のように、奥久慈というネーミングは(少なくとも茨城では)ブランドイメージが良く、もっと広く知られてほしいところだが、奥久慈ゆえの奥ゆかしさか、そこまで押し出しが強くないんだよね(汗)。
 あと、前述の「ひよっこ」の舞台となった奥茨城村の「奥」はやっぱし奥久慈からきてんだっぺな!

 
 

(※3)袋田の滝

 奥久慈最大の観光スポットにして、茨城の滝の代名詞であり、日本三名瀑のひとつ。那智の滝(和歌山県)や華厳の滝(栃木県)が王道ともいえる直下型であるの対し、袋田の滝は「四度(よど)の滝」と呼ばれ、四段になっている。この点を突いて、三名瀑として見劣りするという不届き者がいるが、野球のピッチャーがみんな速球の本格派ばかりだとつまらないのと一緒で、技巧派の変化球投手も必要なのである。
 ちなみに西行法師は「季節ごとに四度訪れないとこの滝の真の魅力はわからない」と絶賛したといわれており、そこから四度の滝となったとの説もある。
 また、袋田の滝は三名瀑で唯一「全面凍結」することでも知られている。この状態は「氷瀑」と呼ばれ、観光パンフレットなどで凍った滝をクライミングしている写真が見られる。チャンスがあったら登ってみたいものだ。
 ちみにマンガの主人公の名字「袋田」は……(以下略)。

 
 

(※4)山方淡水魚館

 「山方」と書いて「やまがた」と読む。その淡水魚館は、アクアワールド大洗を頂点とする茨城の水族館トライアングルの二辺を、「かすみがうら市水族館」とともに支える貴重な存在だ。騙されたと思って一度来てごらん。文句はいっさい受け付けないけど。
 ちなみに山方地区(常陸大宮市)の名物は久慈川で獲れる鮎。また、関東一の大鍋で作る「やまがた宿芋煮会」でも知られているが、これは山方と芋煮の本場「山形」をかけていると思われる(笑)。

 
 

(※5)舟納豆

 国道118号沿いの本店で舟の形をしたパッケージの「舟納豆」を買って帰るのは奥久慈観光の定番コースとなっており、独立店舗系納豆の最高峰ブランドとして、その存在感はひときわ際立っている。ちなみに読みは「ふねなっとう」ではなく、「ふななっとう」が正しい。
 なお、舟の形じゃない納豆も売っており、個人的には茨城弁のネーミングが気になる「こごいら納豆」を推しておきたい。「こごいら」とは「ここらへん」「このあたり」という意味の茨城弁だが、第5回で紹介した「そぼろ納豆」にオリジナルの味付けを加えた一品である。

 
 

(※6)(奥久慈の)名物

 樹の上で完熟させてから収穫する「樹上完熟」が特長の「奥久慈りんご」、秋田の比内地鶏、名古屋コーチンとともに日本三大地鶏のひとつに数えられる「奥久慈しゃも」、茨城三銘茶のひとつで北限のお茶ともいわれる「奥久慈茶」、漁獲量日本一を誇る「鮎」、八溝山系の天然水と国産大豆を使った「ゆば」、優良品種として知られる「常陸秋そば」など、茨城を代表する産品が揃う奥久慈。こんにゃくの生産もさかんで、今日のこんにゃく産業の礎となった「こんにゃく粉」は江戸時代に奥久慈で生まれたとされている。
 えっ、「三大地鶏のあとひとつは薩摩地鶏だ」って?「茨城三銘茶なんか知らない」って? ゆばは日光、そばは長野の名物だって? おめえら、ずいぶん遅れでんなぁ。時代は茨城なんだかんな。そのうち、みんながとらわれている“常識”を、ぜ~んぶ覆しっちゃーかんね!

 
 

だっぺ帝国の逆襲は隔週掲載です。
次回は11月下旬ごろに公開予定です。

 

作者よりひとこと+プロフィール

今回のお題:祝!最下位脱出!!

sato
■漫画:佐藤ダイン(サトウ/ダイン)
 この漫画は当然ながら茨城の魅力を伝えることを目的としているわけですが、正直なところ県として最下位脱出をどこまで本気で望んでいるのか半信半疑ではありました。
 ところが、「いばらきビリ県脱出連携会議」が有力者らによって発足されたり、JRの駅長対抗の「いばらきの魅力総選挙」が開催されたりと『ひょっとして本気なのでは…?』と思い始めたところに今回の最下位脱出のニュースが飛び込んで来ました。
 栃木出身のU字工事さんと茨城出身のカミナリさんのやり取りが話題になるなど、意外とみんな関心あったんだな~と認識させられた出来事でした。

1984年、茨城県大子町出身。芸術系の大学在学中から漫画誌に投稿を続ける。サラリーマン生活、漫画家のアシスタントを経て、『桃色な片想い』(『月刊!スピリッツ』)でデビュー。

 

aoki
■監修:青木智也(アオキ/トモヤ)
 完全なる定位置、もはや殿堂入りか? といわれていた「魅力度ランキング最下位」の座をついに栃木県に明け渡すときが来てしまいましたねぇ。
 純粋にランクが上がったことは喜ばしいですが、42位じゃ…ちょっとねえ(汗)。こんな順位で喜んでたら、また東京民に小バカにされっとな。20位ぐらいの実力はあるので、早く正しい評価が下さることを望みます。
 県民の中には、最下位ではなくなって、むしろ心配している人も多いはず。お気持ちはわかります。最下位だからこそいろいろ紹介されて「おいしいポジション」でしたから。でも安心してください。ずっと最下位でみんな飽きていたので、今回脱出したことで結局茨城が一番目立つ結果となりました!
 今回は栃木にもスポットが当たったから、win-winってことで! 群馬もがんばっぺ~。

1973年、茨城生まれ。WEBサイト「茨城王(イバラキング)」を立ち上げるかたわら、常総ふるさと大使、いばらき統計サポーター、茨城県まちづくりアドバイザーなどとしても活動。

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