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池上彰・総理の秘密<20>

時の政権の強さを表す、「内閣支持率」。毎週のように発表され、その推移がニュースとして報道されます。安倍内閣は、比較的高水準を維持している安定政権。森友学園問題を巡る証人喚問の後でも、そこまで大きく下落することはなかったようです。そこで今回は、内閣支持率の調べ方について、池上彰がわかりやすく解説。知っているとニュースがより面白くなり、他の人に自慢したくなるコラム。

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内閣支持率の調べ方

毎週のようにどこかのマスコミから発表される内閣支持率。上がったり下がったり、そのたびにニュースになります。でも、この内閣支持率は、どのように調査されているのでしょうか。

広く行なわれているのは、面接方式と電話方式です。どちらも無作為抽出ちゅうしゅつで調査対象を選び、アンケート調査します。ただし、面接調査は、時間と費用がかかります。訪ねて行っても留守だったり、セールスと間違われて応対してもらえなかったり。

そこで最近一般的なのが電話方式です。以前は電話帳から無作為抽出していましたが、電話帳に番号を掲載していない家庭が増えたため、いまは「RDD法」(乱数電話番号法)が使われます。ここでは日経リサーチの手法をご紹介します。

全国で使われている固定電話の市外局番と市内局番を、小さい数字順に並べ、1万件の局番を抽出。それぞれの局番につき、4けたの番号をコンピューターにランダムに作らせ、そのなかから使われていない番号を除外。この段階で約4000件の番号が得られます。

ここからは人海戦術。オペレーターが実際に電話をかけます。かかった先が会社だったりすると、電話を切ります。経験的に約1600件が世帯だそうです。

世帯の人が電話に出ると、その世帯の有権者の人数を確認。またまたランダムに、「年齢順に上から○番目」と決めた人に、電話口で質問することになっています。最終的に900件以上、回答を得ることを目標にしているそうです。

ただし、これだと固定電話のある世帯だけが調査対象。携帯電話しか持っていない人にはかからない問題点があります。
また、あまりに頻繁ひんぱんに内閣支持率が調査・発表されると、それで一喜一憂し、短期的な視点でしか物事を見られなくなるのではないか、との批判があります。

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池上彰 プロフイール

いけがみ・あきら
ジャーナリスト。1950年、長野県生まれ。慶應義塾大学卒業後、NHKに入局。報道記者として事件や事故、教育問題などを取材。「週刊こどもニュース」キャスターを経て、2005年に独立。著書に『そうだったのか! 現代史』『伝える力』『1テーマ5分でわかる世界のニュースの基礎知識』ほか多数。2012年、東京工業大学教授に就任。16年より名城大学教授、東京工業大学特命教授。

(『池上彰と学ぶ日本の総理20』小学館より)

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