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【ランキング】アメリカのベストセラーを発表!ブックレビューfromNY<第21回>

NY在住のジャーナリスト・佐藤則男が紹介する、アメリカのベストセラー事情と、注目の一作をピックアップするコラムの21回目。全体的にロングセラーの多いランキングとなっている今回。日本でも人気の高い、ハードボイルド派のスリラー作家、マイクル・コナリーの作品に注目します。

<第21回>ロス市警ハリウッド署の“ホームレス女性刑事”が登場

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The Late Show/ by Michael Connelly
Little, Brown, 2017. 405ページ. US$28.00

今月のベストセラー事情

今月の「ニューヨーク・タイムズ ベストセラー事情」は、ハードカバー・フィクション部門のトップ10 (2017年8月6日の週)[1]を紹介する。

1.The Late Show

By Michael Connelly
Little, Brown

ロサンゼルス市警察ハリウッド署の若い女性刑事ルネ・バラードは、女装男性に暴行を加え瀕死の重傷を負わせた犯人を追ううちに、自分も犯人に捕まり、命の危険にさらされたが、間一髪で助かった。一方、サンセット通りのクラブの発砲事件を捜査していたバラードの前のパートナー刑事ケン・チャステインは何者かに自宅のガレージで射殺され、バラードはその犯人が警察関係者ではないかと疑った。
(ベストセラー初登場)


2.Camino Island

By John Grisham
Doubleday

プリンストン大学から盗まれたF・スコット・フィッツジェラルドの自筆原稿探索の舞台はニュージャージー州からフロリダ州のリゾート地に移った。
(ベストセラー7週目)


3.House of Spies

By Daniel Silva
Harper

2016年のベストセラー小説“Black Widow”に登場した「サラディン」と呼ばれているイスラム国(IS)の首謀者を追う主人公ガブリエル・アロン。「ガブリエル・アロン」シリーズ17作目。
(ベストセラー2週目)


4.Into the Water

By Paula Hawkins
Riverhead

イギリスの田舎町ベックフォードを流れる川には17世紀以来多くの女が溺死したという言い伝えのある淵がある。2015年、2人の女性がそこで溺れて死んだ。自殺、事故、それとも他殺か? 2人の死を巡って徐々に暴かれていく《溺死の淵》を巡る過去の真相。
(ベストセラー12週目)


5.Murder Games

By James Patterson and Howard Roughan
Little, Brown

マンハッタンで起きた連続殺人事件。唯一のカギは現場に残されたトランプのカードで、それが次の被害者が誰であるかのヒントになっていた。
(ベストセラー4週目)


6.The Identicals

By Elin Hilderbrand
Little, Brown

一卵性双生児の姉妹は、両親の離婚でケープコッドのナンタケットとマーサズ・ヴィニヤードで別々に育った。
(ベストセラー6週目)


7.A Gentleman in Moscow

By Amor Towles
Viking

ロシア革命後、アレクサンダー・ロストフ伯爵はボルシェビキの裁判で自宅監禁の刑を受け、クレムリン宮殿の真向かいにあるメトロポール・ホテルの屋根裏部屋に30年間、軟禁された。
(ベストセラー35週目)


8.Use of Force

By Brad Thor
Atria/Emily Bestler

3年前に行方不明になっていたテロリストが、嵐の後、地中海で溺死体として発見された。CIAは対テロ諜報員のスコット・ハーヴァスを雇い、死んだテロリストが何を計画していたかを探ろうとした。「スコット・ハーヴァス」シリーズ16作目。
(ベストセラー4週目)


9.The Duchess

By Danielle Steel
Delacorte

舞台は19世紀イギリス。アンジェリク・レイサムはフランス貴族の母の死後、父であるイギリスの公爵に可愛がられ信頼されて育った。しかし父の死後、異母兄によって存在を否定され、家から追い出されてしまった。アンジェリクの生きるための戦いが始まった。
(ベストセラー4週目)


10.The Breakdown

By B.A. Paris
St. Martin’s

キャスは嵐の夜、田舎道を走行中に森の中に車が停まっているのを見た。しかし、夫に危ないから通るなと言われていた近道でのことなので、夫に知られたくないと思い、ドライバーの手助けをすることなく走り去った。しかし、その車のドライバーが殺されたことを後で知り、自分にできることがあったのではないかと自責の念に取りつかれ、何も手につかなくなってしまった。心理スリラー。
(ベストセラー新登場)


先月のリストから3作品が残っている。先月レビューをした“Camino Island”は7週目、先々月レビューした“Into the Water” は12週目に入っている。そして“Identicals”が6週目に入っている。先週10位以内には入らなかったが“Gentleman in Moscow” は35週目のロングセラーになっている。全体にロングセラーの多いランキングとなった。

[1] “A version of this list appears in the August 6, 2017 issue of The New York Times Book Review. Rankings reflect sales for the week ending July 22, 2017. Lists are published early online.”(このベストセラー・リストは2017年8月6日のニューヨーク・タイムズ紙ブックレビュー欄に掲載。リストは7月22日で終わる週の売り上げをもとに作成されている)

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