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【クイズ】あなたのハードボイル度は何%? フィリップ・マーロウに学ぼう!

“ハードボイルド”の代名詞的存在である、レイモンド・チャンドラーが生み出した私立探偵フィリップ・マーロウ。今回は、彼の台詞や立ち居振る舞いからクイズを出題します。果たして、あなたのハードボイル度は何%?

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“ハードボイルドな男”という言葉を聞いて、あなたはどんな人物を思い浮かべますか?
文学好きなP+D MAGAZINE読者の皆さまであれば、たった一人で巨大な魚と死闘を繰り広げる『老人と海』のサンチャゴや、非情なまでに徹底して仕事をやり通す『マルタの鷹』のサム・スペードを思い出す方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、多くの方が想像するのは、薄暗いバーの奥で酒を飲みながら、コートの襟を立てて煙草をふかす……そんなイメージの人物ではないでしょうか。

「武器を返してやる。清掃、充填済みだ。
だがいいか、撃っていいのは撃たれる覚悟のあるやつだけだ」
(『大いなる眠り』より)

“撃っていいのは撃たれる覚悟のあるやつだけ”――凄みのある、けれどキザなこんな台詞を吐いてしまう男こそ、ハードボイルドの代名詞的存在の私立探偵、フィリップ・マーロウです。
フィリップ・マーロウは、アメリカの推理小説家レイモンド・チャンドラーが生み出したキャラクター。名優ハンフリー・ボガートがマーロウを演じた映画版が記憶に残っている、という方も少なくないでしょう。

現代では、時に“古臭い男”の象徴のようにも捉えられるハードボイルドという言葉。しかし、ハードボイルドな男はやはり、男から見ても女から見ても理屈抜きに格好いいのです。

今回は、フィリップ・マーロウのハードボイルドな台詞や行動からクイズを出題。どれくらい正解できたかで、あなたがいかに“ハードボイルド”的振る舞いを身につけられているか――つまり、ハードボイル度が計れます。

では、早速フィリップ・マーロウにまつわるクイズを始めましょう!

 

【答え方】マーロウに関する問題は全部で5問。答えを思いついたら、「クリックして解答をチェック!」ボタンから解答と解説をチェックしてください。

 
 
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最初は、マーロウの人となりを知るための初級編です。「マーロウ? 誰それ?」という方も、まずはここからマーロウのことを知っていきましょう。

【第1問】

レイモンド・チャンドラーの第1作目の長編小説であり、私立探偵フィリップ・マーロウが初めて登場する記念すべき作品『大いなる眠り』
その冒頭で、依頼人に話しかけられたマーロウが返した台詞の空欄を埋めなさい。

「背が高いのね」と娘は言った。
「【     】じゃない」

 

クリックして解答をチェック!

【答え】

僕のせいじゃない」

 
 

【解説】

まずはマーロウをご存じない方のために、彼の見た目からご紹介しましょう。マーロウは「背が高い」という言葉のとおり、6フィート(183㎝)以上はある、体格のいい男です。濃い茶色の髪に鳶色の目をしていて、その甘いマスクとクールな立ち居振る舞いに、女性は誰しもメロメロになってしまいます。

「背が高いのね」「僕のせいじゃない」。このやりとりは、彼の性格を決定づけるような非常に象徴的なシーンです。マーロウが口にしたこのひと言で、読者は彼がシニカルなユーモアのセンスを持った人物であることを知るのです。

ちなみに、ハードボイルド=トレンチコートというイメージは、マーロウが作り上げたと言っても過言ではないはず……ですが、実は原作小説の中では、マーロウはたったの2回しかトレンチコートを着ていません。トレンチコートをマーロウのトレードマークとして印象づけたのは、映画版でマーロウを演じた俳優のハンフリー・ボガートによるものだと言われています。

ハンフリー・ボガートは背が高くなかったため、『大いなる眠り』を映画化した「三つ数えろ」の中には、「背が高くないのね」「努力はしたんだが」という粋な会話が登場します。

 
 

【第2問】

1953年に発表された、フィリップ・マーロウシリーズの第6作目『ロング・グッドバイ』。一夜を共にした女性と別れ、独りでベッドルームに戻ったマーロウのモノローグの中の空欄を埋めなさい。

フランス人はこのような場にふさわしいひとことを持っている。フランス人というのはいかなるときも場にふさわしいひとことを持っており、どれもがうまくつぼにはまる。
さよならを言うのは、【      】だ。

 

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【答え】

さよならを言うのは、少しだけ死ぬことだ。

 
 

【解説】

小説自体は読んだことがなくても、この台詞には聞き覚えがある……という方も多いのではないでしょうか。フィリップ・マーロウが口にした中で、おそらく最も有名な台詞がこのワンフレーズです。

マーロウ自身が「フランス人」の言葉だと語っているように、このフレーズはもともと、エドモン・アロクールという19世紀の詩人の詩の、

さよならすること、それは少し死ぬこと
それは愛するものへの死
いつでもどこでも、人は自分自身を少し残して去ってゆく
(『さよならの詩』より)

という一節から取られています。

自分自身を少し残したまま、その場を去ってゆく――。対象と距離を置きながらもどこかロマンを感じさせる、“ハードボイルド”的姿勢のお手本のような言葉です。

 
 
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続いては、マーロウが口にするシニカルな言葉にまつわる2問です。
これがスラスラと答えられる方は、ハードボイルドな会話の才能があるかも……?

【第3問】

マーロウシリーズ第3作目にあたる『高い窓』。作中で、依頼人が捜す女の友人であるモーニー夫人の元を訪れたマーロウが、夫人を観察して述べた感想の中の空欄を埋めなさい。

30フィート離れたところからはなかなかの女に見えた。10フィート離れたところでは、【        】見るべき女だった。

 

クリックして解答をチェック!

【答え】

30フィート離れたところからはなかなかの女に見えた。10フィート離れたところでは、30フィート離れて見るべき女だった。

 
 

【解説】

なんてひどいことを! と叫びたくなるような辛辣なひと言。そのあとには、“睫毛の上のマスカラが濃すぎて、鉄柵のミニチュアのように見えた”という描写が続きます。
マーロウは、女性であれば誰にでも優しく……というタイプの男ではありません。思ったままを口にし、時には好意を抱く女性にさえもシニカルな目を向けます。しかし、作中ではその独創的な語り口にやられてしまう女性があとを絶ちません。

【第4問】

第1問でも登場したマーロウのデビュー作『大いなる眠り』。その中で、第三者に捜査方法を非難されたマーロウが返した次の台詞の空欄を埋めなさい。

「僕は【       】でも【        】でもない。警察がすっかりさらった現場へいき、こわれたペンかなんかを拾い、それから事件を組み立てる、なんて器用なまねはできません」

【ヒント】

2つの空欄の中にはそれぞれ、実在しないけれど超有名な2人の名前が入ります。

 

クリックして解答をチェック!

【答え】

「僕はシャーロック・ホームズでもファイロ・ヴァンスでもない。警察がすっかりさらった現場へいき、こわれたペンかなんかを拾い、それから事件を組み立てる、なんて器用なまねはできません」

 
 

【解説】

シャーロック・ホームズはもちろんコナン・ドイルが生み出したロンドンの名探偵、ファイロ・ヴァンスは『グリーン家殺人事件』などの代表作があるヴァン・ダインの作品に登場するアメリカの名探偵です。

マーロウ自身が口にしているように、シャーロック・ホームズとファイロ・ヴァンスの捜査方法と言えば、小さな品物ひとつから決定的な証拠を思いついたり、じっと椅子に座り込んでトリックを暴いたり……と少々リアリティに欠けるもの。

一方のマーロウは、自分の足で現場を歩き、しつこく人から話を聞き出すことを厭いません。そんな自分の“泥臭さ”を自覚していたからこそ、マーロウはスマートな名探偵たちのことを皮肉るような台詞を口にしたのでしょう。

 

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最後に出題するのは、上級編の1問。「これぞマーロウ、これぞハードボイルド!」という、マーロウのとっておきの振る舞いです。

【第5問】

第3問でもご紹介した『高い窓』。その最後、事件の真相を鮮やかに解いてみせたマーロウが、警察には真相を話さないことを誓った上で、犯人の男にひと言、言葉をかけます。去り際のマーロウの台詞の空欄を埋めなさい。

「私の引き下がり方はいつも同じなんだ」と、私は言った。
「空しい微笑を見せ、軽く手首をふる。そして、【            】ようにと、心の底から祈る。おやすみ」

 

クリックして解答をチェック!

【答え】

「私の引き下がり方はいつも同じなんだ」と、私は言った。
「空しい微笑を見せ、軽く手首をふる。そして、この世で二度とあんたに会うことがないようにと、心の底から祈る。おやすみ」

 
 

【解説】

犯人を見逃すことを告げた上でマーロウが彼にかけるのは、優しい言葉でも同情的な言葉でもありません。「二度と会うことがないように」と、ただ永遠の別れを口にするのです。

クールな引き際を演じきったマーロウは、このあと、“スマートで、悪くない引き際だ”と自分の言葉をこっそりと噛み締めます。自分の出来すぎた振る舞いを一人になってから自画自賛してしまう茶目っ気も含めて、マーロウの魅力が伝わるワンシーンではないでしょうか。

【結果発表】

フィリップ・マーロウにまつわるクイズ、あなたは何問正解できたでしょうか?
正答数による称号は以下の通りです!

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全問正解できた方は、ハードボイルドそのもの
それ以下の正答数だったあなたは、フィリップ・マーロウ作品を手にし、明日から“ハードボイルド”への第1歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?

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