本との偶然の出会いをWEB上でも

松本清張のオススメ作品を紹介

ミステリー作家として有名な松本清張。松本清張の原作は多く、テレビドラマ化されています。推理小説だけでなく、時代小説も数多く執筆。今回は松本清張のおすすめ作品をご紹介しています。

sand

幼い頃は貧しかったため、図書館に通ってあらゆる文学書を読み漁っていたという松本清張。印刷工や新聞社での仕事を経て、40代半ばから本格的に作家活動を始めました。兼業作家ながら1953年には、『或る「小倉日記」伝』で第28回芥川賞を受賞しました。推理小説だけでなく、時代小説も数多く執筆しています。また、日本古代史の研究にも熱心で、歴史物のノンフィクション作品も多く残されています。歴史についての造詣が深い松本清張の書く作品は、とても重厚で迫力があり読み応えのあるものばかりです。

過去の企画で、異なる世代のファンが「松本清張」を語っていますので、是非こちらもチェックしてみてください。
▶:【座談会】異なる世代のファンが「松本清張」を語る

点と線

点と線
出典:http://www.amazon.co.jp/dp/4575239054

1958年に発表されたこの作品は大ベストセラーとなり、ミステリー小説ブームの火付け役となりました。福岡の海岸で発見された男女の死体。死体は汚職事件で世間を騒がせている役人と小料理屋の女中でした。恋人同士の心中かと思われましたが、担当刑事は心中ではなく殺人ではないかと疑問を持ち始めます。派手なトリックや天才的な刑事は登場しませんが、ぐいぐいと引き込まれて一気に読んでしまいます。

舞台は昭和三十年代。福岡市香椎の岩だらけの海岸で寄り添う死体が見つかったのは、汚職事件渦中にある某省課長補佐と料亭の女中。青酸カリ入りのジュース瓶がのこされ、警察ではありふれた心中事件と考えた。しかし、何かがおかしい──と福岡の老警官と東京のヒラ刑事は疑問を抱く。

砂の器

砂の器
出典:http://www.amazon.co.jp/dp/4575239054

松本清張の代表作とも言える長編ミステリー。今までに何度もテレビドラマ化されている人気作品です。蒲田駅の操車場で駅員が男性の死体を発見します。謎の多い殺人事件が解明されていく過程はもちろんスリリングですが、事件の捜査に没頭する刑事や容疑者、事件を取り巻く関係者などの人間ドラマも実に巧妙に描かれています。少しずつ謎が解明されていき、ページをめくる手が止まらなくなります。

東京・蒲田駅の操車場で男の扼殺死体が発見された。被害者の東北訛りと“カメダ”という言葉を唯一つの手がかりとした必死の捜査も空しく捜査本部は解散するが、老練刑事の今西は他の事件の合間をぬって執拗に事件を追う。今西の寝食を忘れた捜査によって断片的だが貴重な事実が判明し始める。だが彼の努力を嘲笑するかのように第二、第三の殺人事件が発生する…。

ゼロの焦点

ゼロの焦点
出典:http://www.amazon.co.jp/dp/4575239054

主人公の板根禎子は知人の紹介で鵜原憲一と結婚。新婚旅行から帰って数日後、仕事で金沢へ向かった夫が行方不明になります。禎子は夫を探すために金沢へ向かい、夫の消息をたどりながら、次第に自分の知らなかった夫の過去を知ることになります。
まだ戦後の傷跡が残る日本の社会や、そこで生き抜く人々をリアルに描いている作品です。今とは違う女性の社会での位置付けや感覚をうかがい知ることもできます。

東京・蒲田駅の操車場で男の扼殺死体が発見された。被害者の東北訛りと“カメダ”という言葉を唯一つの手がかりとした必死の捜査も空しく捜査本部は解散するが、老練刑事の今西は他の事件の合間をぬって執拗に事件を追う。今西の寝食を忘れた捜査によって断片的だが貴重な事実が判明し始める。だが彼の努力を嘲笑するかのように第二、第三の殺人事件が発生する…。

けものみち

けものみち
出典:http://www.amazon.co.jp/dp/4575239054

こちらも何度もドラマ化されている人気作品です。病気の夫を養うために、旅館で働く民子。ある日旅館を訪れた魅力的な男、小滝に「人生を変えてみないか?」とそそのかされた民子は家に火をつけて夫を焼死させてしまいます。愛する男のために変わっていく民子の悪女っぷりが見ものです。登場人物は政財界の大物鬼頭や自分の欲望を優先する刑事など個性の強いキャラクターばかり。ストーリーもかなりドロドロとしていて、お金や欲望の渦巻く世界が描かれています。

成沢民子は、脳軟化症のために動けなくなった夫・成沢寛次を養うため、割烹旅館・芳仙閣で住み込みの女中をしていた。しかし、寛次はそんな民子をいたわるどころか、日々、猜疑心を募らせ、民子が家に戻るたびに、執拗にいたぶるのだった。

風の息

風の息

1952年、伊豆大島に墜落した日航機のもくせい号。37名の乗員乗客全員が死亡しました。未だに原因が解明されていない、飛行機墜落事件の真相に迫った作品です。当時アメリカの占領下にあった日本。事故当日の更新記録やボイスレコーダーは、一切日本側に提供されませんでした。そのためGHQの関与を疑う声もありました。実際にあった飛行機事故を題材にしていますが、登場人物はフィクション形式の推理小説となっています。事件の真相が究明されないことに疑問を持った松本清張自身が調査を重ねて執筆した、渾身の長編小説となっています。

乗客には八幡製鉄社長・三鬼隆、漫談家・大辻司郎など著名な顔ぶれも混じっていた。翌日、伊豆大島三原山噴火口付近で、バラバラになった機体が発見されたが事故原因は特定されないまま。朝鮮戦争の最中に起ったこの事故は、果たして偶然か謀略か?

終わりに

単なるミステリーにとどまらず、そこに深い人間ドラマが描かれているのが松本清張作品の魅力となっています。それまではトリックが重視されていた推理小説に人間ドラマを取り入れた松本清張の作品は「社会派推理小説」と呼ばれ、推理小説の読者層を広げることになりました。松本清張作品は、没後数十年経っても色あせることのない名作ばかりです。

今回ご紹介した『風の息』は上・中・下巻の三部作でP+D BOOKSより発刊されています。
また、P+D MAGAZINEより今回紹介できなかった『山中鹿之助』『白と黒の革命』『詩城の旅びと』も発刊されています。
試し読みも公開しているので、この機会に是非チェックしてみてください。

『風の息(上)』の試し読みはこちら
『風の息(中)』の試し読みはこちら
『風の息(下)』の試し読みはこちら

『山中鹿之助』の試し読みはこちら
『白と黒の革命』の試し読みはこちら
『詩城の旅びと』の試し読みはこちら


関連記事▶:【座談会】異なる世代のファンが「松本清張」を語る

記事一覧
△ 松本清張のオススメ作品を紹介 | P+D MAGAZINE TOPへ