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【『火垂るの墓』の原作者!】野坂昭如のおすすめ作品5選を紹介!

早稲田大学を中退した後は、CMソングの作詞家やテレビの放送作家として活躍していた野坂昭如。テレビにもコメンテーターとしてよく出演しており、率直なキャラクターと歯に衣着せぬ発言が人気でした。神戸で米国機の爆撃から九死に一生を得た少年時代の戦争体験をもとにした作品も多く、作品はもとより、メディア出演の場でも、生涯、反戦と平和を訴え続けました。今回は野坂昭如のおすすめ作品5選をご紹介します。

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マリリン・モンロー・ノー・リターン

マリリン・モンロー・ノー・リターン
出典:http://www.amazon.co.jp/dp/416711903X

短編集となっており、表題作の『マリリン・モンロー・ノー・リターン』は野坂自身がモデルとなっている私小説。マリリン・モンローの話ではなく、主人公の妄想に登場するイメージという形でマリリン・モンローが登場します。主人公の雄二は、田舎から上京し東京の大学に通っている青年。女性関係に悩んだりコンプレックスを抱えながら学生生活を送っている主人公の、青年期特有の鬱屈とした感情が描かれています。その他にも介護問題を取り扱った『死の器』。『娼婦三代』、『母陰呪縛譚』、『不能の姦』などが収録されています。「絶唱!野坂昭如〜マリリン・モンロー・ノー・リターン」という自ら歌う同タイトル曲のCDも発売されていますので、音楽も合わせて野坂昭如の世界観を味わってみてください。

とむらい師たち

とむらい師たち
出典:http://www.amazon.co.jp/dp/4061311611

野坂昭如の代表作の1つとも言える名作です。表題作の『とむらい師たち』では、葬儀社で働く奇天烈なプロ集団の姿がユーモアたっぷりに描かれています。その他にも同居する5人の学生を描いた『ああ水銀大軟膏』、主人公が家事を放棄したとんでもない妻に悩まされる『四面凶妻』、ベトナムに出征する兵士に奉仕する女性を描いた『ベトナム姐ちゃん』、性のテクニックを極めた老婆の話『うろろんころろん』など4作の短編も収録されています。

火垂るの墓

火垂るの墓
出典:http://www.amazon.co.jp/dp/4101112037

第58回直木賞を『アメリカひじき』とのカップリングで受賞した作品です。ジブリ映画としてアニメ化された『火垂るの墓』は夏になると毎年のようにテレビで放送されています。この話は野坂自身が実際に戦争で妹を亡くしたという戦争体験が元になっています。兄の清太と妹の節子が、戦争という過酷な運命に翻弄されながらも何とか兄弟で生きていこうとする姿が描かれています。戦争により身寄りの亡くなった清太と節子は親戚を頼りますが、居心地が悪い親戚の家を出て2人で生活するようになり…。戦争が引き起こす悲しすぎる現実に胸が苦しくなります。

エロ事師たち

エロ事師たち
出典:http://www.amazon.co.jp/dp/4101112010

エロをテーマととした野坂の小説デビュー作品です。主人公のスブやんは、エロ事師として、本やビデオを制作したり、パーティーを開いたりとあらゆるエロを世の男性たちに提供していきます。関西弁でまくし立てる主人公たちの、これでもかとというくらいエロの道を追求した作品となっています。野坂昭如らしい独特の空気感が味わえる笑えてどこか切ない長編小説です。

戦争童話集

戦争童話集
出典:http://www.amazon.co.jp/dp/4122041651

戦争に関する12の短編からなる短編集となっています。毎日のように防空壕で避難する様子や、食糧不足のために自分たちで食糧を探しに行く子供たちなど、戦争を知らない子供たちが戦争をよく知ることができるように構成されています。実際に戦争を体験した著者の、戦争を繰り返してはならないという思いがヒシヒシと伝わってきます。童話とありますが、ぜひ大人にも読んでほしい作品です。です。

最後に

85歳で亡くなるまで、執筆活動のほか、作詞家、歌手、政治家など多方面で才能を発揮し活躍していた野坂昭如。2015年12月に心不全のため東京都内の病院で亡くなりました。生涯をかけて生と死、そして戦争や性について独特の観点から社会に疑問を投げかけた希有な作家でした。

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