本との偶然の出会いをWEB上でも

【常に新しい手法で読者を楽しませる】笹沢左保のオススメ作品を紹介

1930年東京都生まれ。作家として本格的にデビューするまでは郵政省に勤務しながら、雑誌のコンクールや懸賞小説に応募したり、芝居の台本を書きながら執筆活動を続けていました。「小説現代」で連載されていた『木枯し紋次郎』は、1972年に中村敦夫主演によりテレビドラマ化され、代表作と呼ばれるようなヒット作品となりました。笹沢左保は作品に常に新しい手法やスタイルを取り入れて、読者を楽しませる作品を世に送り出し続けました。今回は笹沢左保のオススメ作品をご紹介します。

book

どんでん返し

どんでん返し
出典:http://www.amazon.co.jp/dp/4575516511

ミステリーの短編が6つ収録されています。この作品でも面白い手法が取り入れられていて、文章はすべて会話文で構成されています。状況の説明文がなく会話文のみでミステリーを成立させるのはかなり高度な技術がいりますが、違和感を感じさせることなく見事に仕上げています。そしてタイトル通り、7つのストーリーそれぞれの結末はどんでん返しで楽しませてくれます。それぞれの短編も笑えるものからエロティックなものまでバラエティに富んでいて、飽きることなく読み進めていけます。

「思いきって、やったらどうなの」「何をだ」「わたしを殺すのよ」――社の常務の姪と不倫した挙げ句、妊娠させ、結婚を迫られてしまった夫。

軍師竹中半兵衛

軍師竹中半兵衛
出典:http://www.amazon.co.jp/dp/4041009693

戦国時代、秀吉のもとで軍師として活躍した竹中半兵衛の生涯が描かれています。地位や名誉を得ること、軍師として名を上げることなどには全く興味を示さずに、軍師として最高の戦術を考えることだけに没頭する半兵衛。大河ドラマにもなった軍師黒田官兵衛との友情も描かれています。竹中半兵衛のすぐれた頭脳だけでなく、その人間性の素晴らしさも存分に活写された素晴らしい時代小説となっています。

美濃の斎藤家から織田家への使者に抜擢された竹中半兵衛は、信長のもとで運命の人・お市の方と出会った。やがて家督を弟に譲り、研究を重ねついに半兵衛流兵法を完成させる。戦国の世が半兵衛を求めていた!

セブン殺人事件

セブン殺人事件
出典:http://www.amazon.co.jp/dp/4575518972

物語の舞台は新宿です。所轄のベテラン刑事と本庁からやってきた若いキャリアである警部補という2人の刑事が主人公です。バックグラウンドや性格が正反対の2人は事件についての見解でも対立ばかり。しかし2人の全く違う視点からの推理合戦が思わぬ形で結実し事件解決へと繋がっていきます。7つの事件が登場し、ひとつひとつ事件を解決していく短編集のような形になっています。

新宿淀橋署の宮本刑事部長と、本庁から来た佐々木警部補。年齢も容姿も経歴も好対照の2人は、その名前から「宮本武蔵と佐々木小次郎」にたとえられるライバル同士。そんな異色の凸凹コンビが7つの難事件に挑む。どんなときも、2人の推理は真っ向から対立。はたして正しいのはどちらか?

天を突く石像

天を突く石像

建設会社で働く青山が殺人を犯した後に自殺をします。自殺前の不可解な言動などから青山の自殺に疑問を感じた、青山の親友である大場は独自に調査を始めることに。事件を調査するうちに見えてきたのは、ダム建設に関連する政治家の汚職の影。政治が絡む骨太な社会派ミステリーは読み応え十分です。

汚職と政治が巡る渾身の社会派ミステリー。

剣士燃え尽きて死す

剣士燃え尽きて死す

新撰組の天才剣士、沖田総司の生涯が描かれた長編小説です。朗らかなイメージで描かれることの多い沖田総司ですが、本作ではそのようなイメージとは少し違ったキャラクターで描かれています。忘れられない過去の出来事が沖田総司の心に影を落とします。そして新撰組での活動に対しても懐疑的な感情を持つように。新撰組や沖田総司が登場する作品は多いですが、他の作品とは一味違った視点で見ることができる作品となっています。

青年剣士・沖田総司の数奇な一生を描く
不運な出会いを持たねばならなかった武家の娘・千鶴。その形見の懐中鏡に、新選組副長助勤・沖田総司はつぶやく。「また、ひとり斬った」、命令のまま人を斬る! 組織に属し、その命に服しながら……。

最後に

30歳で専業作家としてデビューしてからは、人気作家として、雑誌などでも多くの連載をこなした笹沢左保。作家として活動していた42年間で380もの作品を残しています。時代小説やミステリーが好きな方は是非読んでみてください。

今回ご紹介した笹沢左保の『天を突く石像』と『剣士燃え尽きて死す』はP+D BOOKSで好評発売中です。
ためし読みも公開しているので、是非チェックしてみてください。

『天を突く石像』のためし読みはこちら
『剣士燃え尽きて死す』のためし読みはこちら

2016年11月11日発行!

P+D BOOKSより笹沢左保の新しい書籍『人喰い』が発売されました!
『人喰い』の試し読みはこちらから

記事一覧
△ 【常に新しい手法で読者を楽しませる】笹沢左保のオススメ作品を紹介 | P+D MAGAZINE TOPへ