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もしかして鬱かも!? 心のビタミンになる3つの本と魔法のフレーズ

「元気だったのになぜ……?」他人はそう思っても、じつは本人は苦しんでいて、心の中でSOSを出し続けていることがあります。「毎日がつらい」「人に会いたくない」そんな心の不調が続くのであれば要注意! そんな時はこの3つの本を手に取り、心にためこんだトレスを取り除いてみてはいかがですか?

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12年間で2.4倍!? うつ病という見えない病気

世界保健機関(WHO)の発表によると、世界の人口におけるうつ病患者は推計でも3億2,200万人以上といわれています。厚生労働省の報告でも平成8年度で43.3万人、平成20年の時点で104万人以上を記録。12年間の間でなんと2.4倍にも増加しているそうです。
年々増加しつづけるうつ病による自殺者は2015年時点で推計78万8千人。特に15~29歳の若年層の死因の2位がうつ病などのメンタルヘルスだというのですから、大きな社会問題ともいえます。
(引用元:WHOプレスリリース「Depression」、厚生労働省HP調べ)

ちなみに、日本人の生真面目で完璧主義な性格は、うつ病を始めメンタルヘルスの病気になりやすいといわれています。日本人独特の気質に加えて、日本は世界的に見てもまだまだ労働時間が長く、最近は社会雇用も不安定なため、仕事や人間関係のストレスからうつ病を発症する人たちの割合が年々増加中です。これから紹介する本によると、うつ病を含めた心の不調は、実は日常生活の改善や発想の転換、考え方の練習によって大分改善できるとのこと。本がストレスやうつ病対策につながり、やさしい言葉の数々が日々の疲れを癒してくれるビタミンのような存在になってくれることを祈り、3つの本をご紹介します。

 

『求めない』/加島祥造

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https://www.shogakukan.co.jp/books/09406221

【あらすじ】
「求めない――すると心が広くなる」「求めない――すると恐怖感が消えてゆく」すべてが「求めない~すると……」という言葉で繰り返されていて、著者である加島祥造氏は、本書の中で何度も「人間はすぐに求める存在だ」と述べています。しかし、求めることを否定するのではなく、求めるものはじつは足りていることや、求めることを少しやめるだけで心がラクになること。そこに気づかせてくれる45万部の大ベストセラー詩集です。

本書はNHK「心の時代」「おはよう日本」、TBS「王様のブランチ」などの各メディアにも大々的に取り上げられ、詩集としては異例の45万部という大ベストセラーを記録しました。「他人と比べたり、期待したり、自分らしく生きていないことに気づいた」(27歳女性)、「うつ病の夫と暮らしています。今、そしてこれからの私たちの道しるべが出来たような気がします」(40歳女性) 読者からはそんなたくさんの感動メッセージが届いています。
(引用元:小学館公式ページ〈 編集者からのおすすめ情報 〉)

「自分全体」の求めることはとても大切だ。ところが、「頭」だけで求めると、求めすぎる。「体」が求めることを「頭」は押しのけて別のものを求めるんだ。しまいに余計なものまで求めるんだ。

この一説には、妙に納得させられるものがありませんか? 人間にはだれしも「理想」というものが存在し、それをかなえるために人は努力をするものなのかもしれません。しかし、ときに多くのことを求めすぎてしまうがゆえに疲れてしまったり、自分だけではどうにもならないときは恋人や家族といった身近な人たちに求めてしまう傾向があるのかもしれません。

求めれば求めるほど、自分自身を追い込んで辛くなるように、それを他人に求めれば、その人の心は離れてゆくものではないでしょうか。それがわかっていても人は求めてしまう生き物だからこそ、まずはそれを肯定してみることが大切だと書かれています。五欲を去れだの煩悩を捨てろというのは、嘘っぱちであり誰にもできないことだと力説する本書。まずは自分自身の理想や欲望を素直に受け入れるこが、求め過ぎない感情づくりのための第一歩なのかもしれませんね。

だけどね、意外にむずかしいんだ、だってわたしたちは体の願いを頭で無視するからね。ほどよいところで止める―――それがポイントだ。それができなけば、ときにはもう求めないと自分に言ってみるだけでいい。すると、それだけでもいい気分になると分かるよ。

欲望を否定することはせずに心に寄り添いながらも「求めすぎない」ことの大切さを説いている本書。ほどよいところで求めることを止める。自分と他人は、もともと違う生き方をするものだから、自分にはここまであればいい、そんな割り切ることの大切さを教えてくれているような気さえします。

とはいえ、常に協調性が求められる日本社会では人と比べないこと自体がじつはすごく難しいことなのかもしれません。「求めすぎない……」そんなさじ加減をできるようになるまでは、いっそ何も求めない方が楽なのかもしれませんね。

本書がおすすめするように、「求めない」と自分で声に出して言ってみると、声に出すだけで心がすっきりしてきませんか? 頭の中で考えすぎてしまう余計な思考を声に発して吐き出すだけで、なぜか心はスカッとします。

 

『ドラえもん名言集「のび太くん、もう少しだけがんばって」』/著:藤子・F・不二雄/編:幅允孝

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https://www.shogakukan.co.jp/books/09388466

【あらすじ】
ドラえもんといえば、どこでもドア!そして魔法のポケット。そんな印象が真っ先に浮かんできませんか? ドラえもんの存在自体がわたし達の大きな癒しであり、人生に思い悩んだときや立ち止まったときにドラえもんの名言を読むたびに、そっと背中を押してもらえたような気持ちになれるはず。原作誕生から45年を過ぎた今でも、たくさんのファンに愛され続けている『ドラえもん』。心に響くドラえもんの名言の珠玉をつなぎ合わせたような、初のビジュアル名言集。

皆さんが小さい頃に見たドラえもんといえば、のび太くんのいちばんの味方で、夢をかなえてくれる頼もしい存在、ではないでしょうか。子供の頃にドラえもんを見ると、各々のキャラクターの面白さだとか、コミカルなストーリーばかりに目がいき、ドラえもんの名言まで覚えている方はもしかしたら少ないのかもしれません。しかし、大人になって読み返してみると、現代人だからこそわかる心に「グっとくる」ような言葉の数々がちりばめられていることに驚かされる人も多いようです。

一生けんめいのんびりしよう。

このフレーズ、皆さんの心にグっときませんか? それに、自分だけでなく、何事にも一生懸命な友人にも教えたくなるフレーズではないでしょうか。
仕事にも育児にも常に一生懸命な人は、つい「~しなければならない」という気持ちに追い込まれてしまって、のんびりすることを惰性ととらえてしまいがちです。そもそもそういう人たちにとって「一生懸命に休む」という観念自体が存在していないのかもしれません。
生真面目で頑張り屋さん、完璧主義な人ほどうつ病になりやすいというデータもあるくらいですから、もしもあなたの周りにそんな人たちがいて落ち込んでいたときには「君は、十分すぎるくらいに頑張ってるよ! だから今は、一生懸命にのんびりしようよ。ドラえもんも、そう言ってたよ(笑)」。なんて、ユーモアまじりに言ってあげたいですよね。するときっと、自然と笑顔になってくれるでしょう。

なぜだ!なぜおかしは食べるとなくなるのだ!!

1回読むだけでは「え!どういう意味?」と思うかもしれません。それに、よだれを垂らしているドラえもんのイラストが可愛すぎて、つい笑ってしまう人も多いのではないでしょうか。3回ほどこのフレーズを読み返してみると、「べつに食べ過ぎたっていいじゃない! お菓子がおいしいのが悪いんだよ!」そんなポジティブなドラえもんの思考を感じ取れるような気がします。

女性の間では流行りの雑誌モデルのようなスリムな体系こそが美徳とされた風潮があるばかりに過剰なダイエットをしてしまう人も多いと聞きます。すると、お菓子を食べすぎてしまった自分を後でひどく責めたり、食べすぎへの恐怖心から拒食症や摂食障害などの病気になってしまう人さえいるでしょう。でもドラえもんは、美味しいものに手がでるのは当たりまえだし、お菓子はなくなるのが早いね~なんて、自分ではなくお菓子のせいにしているわけです(笑)。

そんなマイペースさだとか、ユーモアあふれる言葉が、頑張りすぎてしまう日本人にはちょうど良い癒し、なのではないでしょうか。同時に、「小さいことでくよくよしないで!」受けとる側によっては、そんな応援メッセージのようにも聞こえるでしょう。

 

『苦しまない練習』/小池龍之介

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https://www.shogakukan.co.jp/books/09388182

【あらすじ】
寂しさや不安は、練習次第で直すことができるそうです。ブッダという「古代の偉大な先生」は、日常生活でも簡単に実践できそうな25の心構えによって、心が苦しまないためのトレーニング方法を習得できると説いています。本書を読めば、まじめな人ほどつい作ってしまいがちな「悩み多き自分」と簡単にさよならすることができる、そんな希望を抱かせてくれるでしょう。

君が誰かに悪口を言われても、「悪口なんて、原始時代の昔からずーっと続いてきた、当たり前のことなんだよね」と思い出すと良い。人々は、沈黙している人を「むっつりしている」と非難し、たくさん話す人を「やかましい」と非難し、あまつさえ穏やかに適度に話す人をすら「何か裏があるに違いない」などと非難する。みんなとにかく何かにケチをつけたがっていて、強引にでも理由を見つけてケチをつける。世間というものはしょせんこんなもの。

「なるほど! 原始時代から悪口はあったんだ! それが世間ならば仕方ない!」これを読むと、魔法にかかったようにそんな割り切りさえ出てきませんか? ほとんどの人たちが他人に嫌われることを恐れて、相手に過剰に合わせようとしたり、偽りの自分を作ってしまうがゆえに疲れ果ててしまうのではないでしょうか。でも、どんなに自分を演じようとも、何かとケチをつけたいのが世間であるならば、そもそも悩むのもムダなのかもしれません。いっそのこと、自分のことを愛してあげた方が断然いい! そんなポジティブな感情さえ湧きあがらせてくれるでしょう。

人の心にそうした好き嫌いがあることはしょうがないことですから、自分にとっての好きを語ることは、必ずどこかの誰かの嫌いを刺激するものなのです。そうである以上は、絶対に誰かからは非難されるようにこの世界はできています。

ネットが発達したことによってアンチによる誹謗中傷に苦しむ人たちは多くいます。しかし、他人の発するネガティブな言葉のすべてをいちいち気にしていたら、わたし達のメンタルは持ちません。
人間関係で悩んでストレスをため込んでいる人は多いですが、はじめから自分のことを嫌いな人は必ずいると割り切ってしまえば、そういう人たちとは必要最小限の付き合いですませようと決心できるかもしれません。好かれよう、合わせようとするから過剰に疲れるのであり、無理にそれをしなくなれば、人間関係におけるストレスは自然と減ってゆくはず。苦しみのほとんどは考え方次第と練習によっていくらでもコントロールできることを教えてくれる一冊です。

 

おわりに

自他ともに求めすぎないこと、「~でないといけない」といった思考をやめること、古代から自分を嫌う人間は必ず存在していて、それがこの世だと割り切ることが大事であること、自分の好きな人だけを大事にしていれば幸せになれるということ、それに気づくだけでも、鉛のように重かった頭と体は、すっと軽くなってゆくはず。今回紹介した3冊の本は、日頃より不足がちな栄養素を補ってくれる心のビタミンとなり、元気の源になってくれるでしょう。

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